Twitterは新しいユーザーにアピールするための施策をいくつか試みている。Dorsey氏率いる同社は10月、「Moments」という機能を導入した。キュレーションされたツイートや、発生したばかりのイベントの動画や画像をユーザーに紹介する機能だ。Twitterは、Momentsによってカジュアルユーザーがアクティブユーザーになってくれると考えていたが、今のところはそうなってない(前述のとおり、わずか1%の増加だった)。
また11月には、長きにわたって星形だったアイコン(Facebookの親指を立てたアイコンに相当)をハート形に変えた。しかし、ユーザーから大きな反応はなかった。
そして2016年1月になって流れたのが、Twitterの代名詞とも言える1メッセージあたり140文字の上限を 1万文字(英文で約2000単語)に拡大するとのうわさだ。ツイートを長文化するというアイデアは投資家に嫌気され、そのうわさのために株価は3%下落した。だが、それですら、先々週の抗議の声に比べれば些細なことだった。フォローしているユーザーのツイートが、投稿されたときに表示されるだけでなく、 Twitterの分析でユーザーが見たいと思っていそうなツイートが表示されるようになるという憶測が流れ、#RIPTwitter(Twitterはもう終わり)というハッシュタグが付くほどだったからだ。その抵抗があまりに大きかったため、Dorsey氏はTwitterを使ってうわさに対応しなければならなかった。
Twitterは2月10日、こうした反対の声をさらに鎮めようと、ある機能を発表したが、実際にはそれほど重要なものではなかった。主要なツイートをタイムラインの上部に表示して、その後に通常のツイートの流れを新しい順に表示するというオプションを、ユーザーが選べる機能だ。
Dorsey氏の一部の取り組みに、古くからのユーザーが不満を覚えているとしても、同氏としては実験を中止している余裕はない。Twitterはメインストリームのユーザーをもっと取り込むための新たな策を見つける必要がある。広告主がそれを望んでいるからだ(同社は売り上げの約90%を広告から得ている)。eMarketerによると、2016年にソーシャルネットワークで使われる全広告料のうち、Twitterが占めるのは9%と予測されている。一方のFacebookは、アクティブユーザー数が15億9000万で、65%を占める見込みだという。
「Twitterのような企業に要求されるのは、時間とともに成長し、新しいユーザーを獲得しつつ以前からのユーザーも満足させることだ。(しかし)他社が成長するなか、Twitterは前進が止まっており、ビジネスが順調ではないという印象を受ける。Twitterがかなり長い間、新規ユーザーを引きつけていないのは明らかだ」。GartnerのアナリストBrian Blau氏はこう指摘する。
つまり、Twitterのジレンマを1つのツイートにまとめれば、こういうことだ。「Twitterは、大衆市場に進出しない限り成長しないが、成長しなければ大衆市場には進出できない」
株主への書簡で、Twitterは2016年の優先事項を5つ挙げている。第1に、「利用を妨げ、ユーザーを遠ざける原因であることがわかっている(中略)小さな問題点や紛らわしい部分を改善」するという。そのほか、ライブストリーミング動画への注力、エンターテイナーなどの「インフルエンサー」とファンの交流の支援、開発者へのアドオン機能開発の奨励、同サービスの安心度を高める取り組みの強化が掲げられた。
「あらゆることの中心にあるのはライブだ。これを盛り上げ、コアサービスを見直すことに惜しみなく力を注いでいる」。Dorsey氏は10日の電話会議でこのように述べた。
Twitterの10日の発表によると、第4四半期(2015年12月31日締め)の売り上げは7億1000万ドルで、1株あたり13セントの損失を計上したという。経費の一部を調整した利益は1株あたり16セントとなり、売り上げを7億950万ドル、1株あたり利益を13セントとしていたアナリストの予測(Reutersの調査)を上回った。
Twitterの状況がすぐに好転するとは考えにくい。同社は2016年第1四半期の売り上げを5億9500万ドルから6億1000万ドルと予測している。アナリストの予測は6億2420万ドルだ。
どうやら、パスタを食べる人はあまり多くないらしい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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