ソフトバンクグループ代表取締役社長の孫正義氏は、2月10日に開催された決算会見で、2月から“実質負担0円”での端末の販売が廃止されたことについて、「本当にそれは改善なのか、改悪なのかは、いろいろな議論があるところだと思う」と見解を述べた。
携帯キャリアの中で、最初に実質0円を打ち出したのはソフトバンクだった。孫氏は「iPhoneは6万円とか10万円とかする。それを特に若い人に定価で買ってくださいというのは負担が大きいんじゃないかと思う。それが世界一安く手に入る日本、僕はいいんじゃないかなという気がする。でも、(総務省が)それがいかんという方針なら、我々はそれに従う」と思いを語る。
その一方で、実質0円での提供は経営的には負担の方が大きかったとし、その負担が軽減されるという意味ではポジティブに捉えていると説明。「その分、ユーザーには通信料を安くするとか、学生のヘビーユーザーには『何ギガプレゼント』みたいな形で還元する。結果的には、総務省の皆さんが意図された方向に改善されてきているのではないか」と語った。
総務省は2月2日、ガイドラインを守っているかを確認するため、店舗での覆面調査を実施すると発表。また、行き過ぎたキャッシュバックと思われる広告や掲示を見つけた場合には、総務省が設置した窓口まで連絡するよう求めている。この点については、「別にあっても構わないと思うが、世界中でいろいろな会社がいろいろなモノの売り方をしている。特定の業界であまり事細かに、手取り足取りというのはいかがなものかと一般論としては感じる」(孫氏)と疑問を呈した。
この前日となる2月9日に開催されたKDDIの決算会見で、同社代表取締役社長の田中孝司氏は、実質0円の販売が廃止された影響について、「来店客数は大幅に減っている」と語っていた。この影響についてソフトバンク代表取締役社長 兼 CEOの宮内謙氏は、「1月末までが激しいキャッシュバック戦争だったので、2月と比較すると相当減ったように見えるかもしれないが、2015年の2月と比べるとそんなに激減ではない。我々としては逆にシェアが上がっているのが実態」と説明した。
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