2011年に最初のスマートフォンを出したXiaomiは、毎年のように「高性能CPU」「低価格」を武器にした製品を投入し、あっという間にシェアを伸ばしていった。しかしウェブで見ると美しく見える同社の製品も、実際は樹脂製で高級感には欠けている。実機を手にした人からは価格相応の仕上がりと評価する声も聞かれる。
そのXiaomiの初代モデルの発表から約5年が経ち、今ではミドルレンジクラスのスマートフォンでも十分使い物になる時代となった。XiaomiがいくらCPUの速さをアピールしたところで、それに興味を向ける一般消費者の数は減っているのが実情だろう。
これに対してOPPOのスマートフォンは、いい音で音楽が再生でき、高性能なカメラで美しく撮影でき、しかも本体は高級感あふれる仕上がりとなっている。XiaomiがCPUの高さや低価格を追い求めている間に、OPPOは多少価格が高くとも持つことがステイタスになる、そんな製品展開を着々と進めて行ったのである。
もちろんOPPOも低価格モデルを出している。しかし同社のウェブページを見ると、値段を大きくアピールする広告やキャンペーンは見られない。ハイエンドモデルで機能と美しさをアピールしつつ、手軽に買える低価格品もそろえ、どれにしようかと消費者をワクワクさせるようなラインアップを並べているのだ。
「カメラがいい」「質感もいい」「世界最薄モデルもある」そんな評判がネットに流れれば、消費者の多くは実際に製品に触れてみたくなるものだろう。音楽プレーヤー時代を含めれば、実はOPPOは老舗のメーカー。古くから実店舗で製品販売を行っていた。
今ではOPPOのコーポレートカラーである緑色をまとった専門店を中国全土に広げており、家電量販店の中にもOPPO専門コーナーを設けている。消費者に実体験を提供できるオフライン販売の場は、製品の差別化が難しいこれからの時代には、より重要性を増す。最近の新興メーカーはオンライン販売に特化したところが多かったが、Xiaomiが実店舗販売を強化するなどオフライン販売の動きも各社の間で広がっている。
オフライン販売は新興国では重要な販売チャネルだ。OPPOが新興国、特に東南アジアで人気を高めたのも店舗展開を積極的に広げたからである。中国ならば全国が高速道路でつながり、ネット決済も簡単に行える。街中の店舗で店員の煩わしいセールストークを聞いてスマートフォンを買うよりも、ネットでワンクリックで注文したほうが簡単で手軽なのだ。
だが新興国ではネットショッピングもまだ普及していないし安全性にも不安がある。ましてや聞いたこともないメーカーの製品を、スペックだけうのみにしてオンラインで注文するのはギャンブルに近い。ニュースで噂になった製品なら、実際に製品に触れてみて納得してから購入したいと考えるのが、それらの国では常識だろう。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境