キヤノンは1月27日、社長を現在の御手洗冨士夫氏から専務取締役の真栄田雅也氏に交代する人事を発表した。御手洗氏は1995年にキヤノンの代表取締役社長に就任。2006年に代表取締役会長へと退いたが、当時の社長であった内田恒二氏の意向により、2012年から社長職に復帰しており、現在代表取締役会長兼CEOを務めている。社長交代は3月下旬に実施され、御手洗氏は会長兼CEO、真栄田氏は社長兼最高執行責任者に就く。
真栄田氏は、1975年にキヤノンに入社。2002年にDCP開発センター所長、2006年にDC事業部事業部長、2007年にイメージコミュニケーション事業本部長を務め、2014年からは専務取締役に就任している。
御手洗氏は「事業部長としてカメラのデジタル化を指揮し、いち早く市場でトップシェアを得るまでに成長させていった人物。また、カメラの技術を活かし『CINEMA EOS』を発売するなど、映画産業の中で画期的な状況を作った。生産技術にも優れ、カメラ事業における徹底的な自動化、ロボット化を推進することで、コストダウンに務めた」と真栄田氏を評した。
一方、キヤノンの現状については「カメラ、複写機、事務機器でデジタル化を推進し、2008年頃までは増収増益を記録してきたが、リーマンショックと時を同じくして、デジタル化が終わり、成長率が鈍化してきた」と分析。「新しく会社を牽引していく事業として商業印刷、監視カメラなどに着手。これらの事業に資本、技術を投下し、今後の柱としてやっていく。今まではカメラや個人向けプリンタなどBtoCが多かったが、今後はBtoBへと事業内容を転換していく。そういう時代として今後の5年間を設定している」と事業の方向転換時期であると話した。
真栄田氏は、社長就任に際し「強いプロダクトを継続的に提案していき、最先端の製品を作り続け、確実に原価低減を継続することにがんばりたい」と今後の抱負を話した。会見内で座右の銘を尋ねられると「座右の銘とは言えないと思うが、モットーは『明るく元気に仕事をやろう』」とコメントした。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス