UPDATE Mozillaの元最高経営責任者(CEO)Brendan Eich氏が率いるBrave Softwareが、新ブラウザ「Brave」のテスト版を米国時間1月20日に公開した。このブラウザは、Microsoftの「Windows」あるいはAppleの「OS X」をOSとして利用するコンピュータ、さらにはGoogleの「Android」またはAppleの「iOS」ソフトウェアを搭載するスマートフォンで動作する。
Eich氏は、ウェブプログラミングの基盤となっているJavaScript言語を考案し、有力ブラウザ「Firefox」の開発を手がけるMozillaプロジェクトを共同で創設した人物だが、2014年に反同性婚の姿勢をめぐる騒動を引き起こしてMozillaを離れていた。
10名のスタッフを抱え、サンフランシスコを拠点とするBrave Softwareで、Eich氏はオンライン広告の有害な部分をこの世の中から取り除きたいと考えている。
Eich氏はBraveブラウザについて、プライバシーの保護だけでなく、速度の大幅な向上を約束している。具体的には、ページの読み込み速度を他のスマートフォン向けブラウザの2~4倍、他のPC向けブラウザの1.4倍にするという。
Braveブラウザはまだバージョン0.7の段階だが、広告だけでなく、オンライン活動を追跡するその他のページ要素や広告配信に利用されるウェブ要素も排除し、ウェブの高速化を図っている。Eich氏は、プライバシーを保護しながら、ゆくゆくはユーザーにとって本当に役立つ広告のみを配信できるようにする考えだ。
ただし、現時点では広告は表示されず、これまで広告があった場所を示す空白のスペースが表示されるだけだ。Eich氏は、Braveが十分な数のユーザーを獲得した段階で、パブリッシャがブラウザからの限られた情報に基づいて広告を配信できるようにしたいと考えている。将来的には、これがBraveの収益源にもなる。
また、Braveがある程度、おそらくは1000万人前後のユーザーを確保できた段階で、高速化とプライバシー保護以外にこのブラウザを利用したくなる仕掛けが提供されるという。それはお金だ。わずかな額の広告収入(月額でコーヒー1杯分程度になるとみられる)がクレジットの形でユーザーに還元される。このクレジットがサブスクリプションのような機能を果たし、ユーザーはこれをパブリッシャに支払うことで、一部の広告の配信を停止させられるという。
Eich氏らのチームは、Braveの開発にあたって、Googleの「Chrome」ブラウザの基盤である「Chromium」をベースにしている。Eich氏が心血を注いだFirefoxを利用していないのはなぜだろうか?その理由は、Chromeのほうが大勢のユーザーに利用されているため、ウェブサイトの動作確認を実施する開発者によってテストされている機会が多いからだと、Eich氏は述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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