テスト前日の詰め込み勉強、いわゆる「一夜漬け」。誰でも、一度は経験したことがあるだろう。一夜漬けのような勉強方法は、その場しのぎにはなるかもしれないが、覚えたことをすぐに忘れてしまって、必要な時に思い出せないことがほとんどだ。かと思えば、遠い昔に覚えたことを(勉強したこととは限らないが)、かなり時間が経っているのにもかかわらず、急に思い出すことができる。なぜか。
こうした現象が起こるのは、脳の働きに関係しているという。そして、脳が記憶をどのように扱うかを理解することで、たとえば新しい単語を大量に暗記しても、忘れてしまうことのメカニズムを理解できる。その上で、忘れることを前提として、記憶を定着させるためにできることを実行すれば「無駄な努力」をしなくて済むというのだ。
本書では、脳と記憶の関係について詳しく解説した後で、記憶力に関する誤解や、反復練習に関する誤解など、従来の学習法に対する誤解を指摘し、その誤解を解くための実験を数多く紹介している。今までの自分のやり方や、人から教わったやり方で、どうにも学習の効果が得られないと感じているなら、本書で打開策が見つけられるかもしれない。巻末には今すぐ役立つQ&Aも掲載されているので、参考になるはずだ。
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