今日の知的財産権をめぐる争いにおいて、インターフェースの外観や操作性を対象とする意匠の重要性がますます高まっている。その最新の例として、MicrosoftはCorelが「Corel Home Office」で「Microsoft Office」のリボンを許諾を得ずに使用したとして同社を訴えた。
Microsoftの主張によると、このリボンは9件もの知的財産権で保護されているという。特に、Microsoftの訴えは、「Corel Home Officeが『Microsoft Wordモード』やその他のMicrosoft Officeアプリモードで、Microsoft Officeのような外観と操作性を提供している」点が理由となっている。
さらにMicrosoftは、「WordPerfect」など他のCorel製品でもMicrosoftの権利を侵害していると指摘している。例えば、「WordPerfect X7」のヘルプは、ユーザーに対し、「WordPerfectでの作業に慣れるまでは、Microsoft Wordで作業するつもりで」使用することを提案している。
CorelとMicrosoftが法廷で争うのは今回が初めてではない。Corelは2015年7月、Microsoft Officeの主要アプリに含まれる「LivePreview」機能がWordPerfectの「RealTime」プレビュー機能の特許を侵害しているとしてMicrosoftを訴えた。
Microsoftは今回の最新の訴状の中で、「Corelはこれまで(中略)Microsoftのインターフェースが持つ、すぐに使える親しみやすさと充実した機能性を意図的に利用し、Microsoftがこれらのインターフェースに投じてきた長年にわたる労力と多額の投資に便乗してきた。MicrosoftはCorelに対し、当社のインターフェースのあからさまな模倣に関して繰り返し警告してきたが、そうした警告にもかかわらず、Corelによる侵害は一向に収まらない。したがって、今回の訴訟の直接的な原因は、こうしたCorel自身の行為にある」としている。
電子フロンティア財団(EFF)は、この主要な意匠、つまり「ディスプレイ画面の一部分のユーザーインターフェース」が2015年12月の「Stupid Patent of the Month」だと記した。「Corel Home Officeの最も小さな構成部分であろうと、Microsoftの意匠をCorelが1つでも侵害していると認められれば、米連邦巡回控訴裁判所が管轄する現行法により、MicrosoftにはCorelがその製品全体から得る利益すべてを受け取る権利が与えられている。デザインに起因する利益やデザインが製品に与える価値でなく、Corel Home Officeの利益全体が対象となる」とEFFは述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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