WebRTCの仕様策定は、W3C(World Wide Web Consortium)という標準化団体が中心となって行っている。W3Cは、Webに関する様々な技術的仕様の標準化を進めている国際的な組織だ。
W3Cには、Google、Apple、Microsoft、Mozilla(Firefoxブラウザの開発元)といったウェブブラウザベンダーが加入しており、各ブラウザは標準仕様に基づいたWebRTCの実装を搭載している。Google ChromeとMozilla Firefoxなど、異なるウェブブラウザ間でもWebRTCで通信できる(例えば前述のFacebookメッセンジャーは、ChromeとFirefoxの間で通信が可能だ)のはそのためだ。
そのため、従来専用アプリが必要とされていたビデオ通話/ビデオ会議と言った製品カテゴリにおいて、WebRTCの採用が広く進みつつある。
いくつか例を挙げよう。
AmazonのMaydayは、24時間365日、1クリックでビデオ通話によるカスタマーサポートを受けられるという革新的なサービスである(ただし利用には同社のFireタブレットが必要)。登場時大きく話題になったこちらのサービスは、WebRTCによるリアルタイム通信が支えている。
楽天の「ネット保険デスク」というサービスでは、ビデオ通話を用いてアドバイザーと相談しながら、生命保険を申し込める。同サービスはChromeとFirefox、そしてスマートフォン(Android)からも利用できるが、これはWebRTCの接続性あってのことだ。
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