静かに進行するWebRTCのイノベーション - (page 4)

白石俊平(オープンウェブ・テクノロジー代表)2015年12月31日 07時00分

ウェブ以外にも広がるWebRTC

 そしてライセンスフリーであること、さらに標準的な実装がオープンソースで公開されている(※)ことにより、WebRTCは「ウェブ以外」にも広がっている。

 例えばiOSやAndroidと言ったモバイルOS上でも直接WebRTCは動作する。そのため、モバイルアプリ同士、そしてモバイルアプリとデスクトップWebブラウザなど、デバイス/プラットフォームを選ばずにWebRTCは動作する。例えばGoogleハングアウトは、iOS/Android/各種デスクトップブラウザと言ったさまざまなプラットフォームをまたいで、複数人が参加できるビデオ会議を実施できる。

 WebRTCの汎用性は、それだけにとどまらない。スマートフォンをコントローラ/ハブとして動作するロボット技術でも、通信部分にWebRTCが使用されることは珍しくない。またIoTデバイスにおける通信においても、Bluetoothなどと並んで、WebRTCは必ず候補に挙がる選択肢の1つである。

 例えばV-Sidoというロボット制御OSは、Webやスマートフォンからロボットを遠隔操作できるAPIを備えているが、通信にWebRTCを用いているおかげで、ロボットと映像・音声のやり取りを行うことができる。


Web Controller for V-Sido CONNECT

 家庭用ホームセキュリティカメラ「Withings Home」は、IoTデバイスとしての利便性と可愛らしいデザインを両立させ話題になったデバイスであるが、やはり内部的にはWebRTCを使用している。


Withings Home

 このように、Webブラウザ同士を直接(P2Pで)つなぐための技術として考案されたWebRTCは、今やロボティクスやIoTといった分野でも活用されうる、汎用的な技術として注目されている。

こちらで、GoogleがWebRTCの標準的な実装を公開している。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]