東芝は12月21日、PC、映像、白物家電などを含む「ライフスタイル事業」に関する構造改革を行うとし「新生東芝アクションプラン」を発表した。7800人の人員対策を実施する。
アクションプランでは、PC事業の分社化や映像事業の海外全地域における自社事業の終息について発表された。人員対策はライフスタイル事業で6800人、コーポレート部門で1000人、約7800人を減少させる方針だ。
東芝の代表執行役社長である室町正志氏は「人員対策は7800人に、半導体部門の2800人を加え、全体で1万600人という大きな数。今のところ他社への転籍はソニーの半導体へ異動する人員のみで、そのほかに関しては社内の配置転換、早期退職になる。ただし配置転換は受け皿がそれほどないので、ほとんどは早期退職をお願いする形」と内訳を話した。
同日発表された2016年度3月期の通期業績予想(2015年4月〜2016年3月)は、売上高が6兆2000億円、営業損益が3400億円の赤字(前年同期は1704億円の黒字)、税引き前損益が3000億円の赤字(同1366億円の黒字)、当期純損益が5500億円の赤字(同378億円の赤字)で過去最大の赤字を計上。室町氏は「営業損益、当期純損益ともに過去最大の赤字となり、多くの痛みを伴った。今このタイミングで構造改革を断行することが必要であると判断した」と話す。2016年3月末日を基準日とする剰余金の配当は0円になる。
PC事業は300万台、映像事業は60万台まで、年間の販売台数を絞り、利益が出る体質へと転換させていく方針。「BtoBに軸足を置いた上での事業改革。2016年度以降はある程度の収益をあげられると見ており、2015年度のような大規模な赤字に陥ることはないと確信している」(室町氏)と言い切った。
白物家電などを持つ家庭電器事業についても、人員の削減や国内首都圏の拠点の集約などを通じて固定費削減を実施。ライフスタイル事業グループの開発拠点である、青梅事業者は閉鎖、売却する。富士通、VAIOとの事業統合が報じられたPC事業については「さまざまな選択肢が同時並行的に進んでおり、進捗度合いについては話せない」とコメントを避けた。
事業ポートフォリオを見直す中、東芝が注力領域に位置づけるのは「エネルギー」「ストレージ」の両事業。2016年度の設備投資、投融資についても、この2事業に重点投資する方針。ヘルスケア事業については、外部資本を導入する。
室町氏は現状に対し「経営者として責任を感じている。こうした赤字を計上するのは忸怩たる思い。構造改革を断行して2016年度からV字回復を目指すことが最大の責務だと思っている」とコメントした。
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