東芝、映像やPC事業などの構造改革を発表--テレビ国内市場は継続

 東芝は12月21日、PCやテレビなど、ライフスタイル事業グループの構造改革について発表した。国内市場における映像事業は、固定費削減、収益力の強化を図り、自社開発、販売を継続する。

 映像事業は海外事業において、自社開発、販売を終了し、東芝ブランド供与型ビジネスへと移行する。海外にあるテレビ工場や販売会社などは、提携先へと譲渡するほか、非連結化する。

 日本国内においては、高付加価値製品を中心に2017年3月期で約60万台に絞り込み、利益が出る体質へと転換するとのこと。大半を海外調達する方針だが、ホテル需要向けなどBtoB需要を見込み、一部の高画質小型製品を青森県三沢市にある東芝メディア機器で製造する。

 12月下旬から出荷を開始し、2017年3月期での組み立ては約16万台を想定。製造については現在の設備を流用するため、新規に設備投資はしない。開発拠点である青梅事業者は閉鎖、売却する方針だ。

 映像事業では、2014年度末から2016年3月末までに、国内外人員の約8割弱にあたる約3700人の人員対策を実施。このうち国内人員については、2015年度末までに再配置と再就職支援を含む早期退職優遇制度を実施する。これに伴う構造改革費用として2016年3月期に約400億円を見込む。固定費については、2015年度見通し305億円と比較して、2016年度には180億円以上の削減を図り、2016年度中の黒字化を目指す。

 一方、PC事業においては、BtoB事業を中核にすえ、BtoC事業については、国内市場向けを主軸とし、事業範囲を限定するとのこと。BtoB事業を展開する自社設計・製造部門を活用し、堅牢性や安定性といった強みをいかせる商品展開を図るため、プラットフォーム数は現在の3分の1以下へと削減する。

 社内カンパニーである「パーソナル&クライアントソリューション」は、国内BtoB販売会社である東芝情報機器に会社分割による承継する。

 PC事業では、2016年3月末までに国内外人員の2014年度末の約3割にあたる約1300人について人員対策を実施。2015年度末までに人員再配置と再就職支援を含む早期退職優遇制度を実施する。これに伴う構造改革費用は2016年3月期において約600億円を計上する見込み。固定費については、2015年度見通し665億円と比較して、2016年度に300億円以上を削減し、2016年度中の黒字化を目指す。

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