このGPUは、一般的なゲームベンチマークで特に高速ということはなく、「BioShock Infinite」を高ディテール設定、1920×1080ピクセル解像度でプレイしたところ、23.5fpsという結果にとどまった(標準の3000×2000ピクセルで動くかどうかすら怪しいゲームは多い)。だが、このゲームのディテール設定を中程度まで下げてみると、格段にプレイしやすい37.2fpsになった。インディーホラーゲームの新作「Soma」から「Grand Theft Auto V」まで、さまざまなゲームでケーススタディを実施したところ、ほとんどのディテール設定を中から低に抑えていれば、十分スムーズなプレイが可能だった。出先でやるようなカジュアルゲームには対応できるが、Surface Bookで「Fallout 4」を何百時間もプレイしたいとは思わない。
Surface Bookの場合、バッテリ持続時間は2通りの方法で測定しなければならない。バッテリが2つの部分に分けて搭載されているからだ。バッテリ容量の大半はキーボードベース側にあり、タブレット側の容量は全体の4分の1にすぎない。Surface Bookは明らかに、一式そろったノートPCモードで長時間使用し、タブレットとしては短時間しか使用しないという設計のデバイスだ。こうした状況がニーズに合うかどうかはユーザー次第だろう。米CNETの動画再生バッテリ消費テストの結果は、一体型の状態で11時間24分だった。一方、タブレットのみの状態では2時間51分と、両方のバッテリを併用した持続時間の約4分の1となった。
Surface Bookのバッテリについては、注目すべき点が2つある。1つ目は、主にキーボードベースのバッテリを先に消費して、タブレットのバッテリをできる限りほぼフル充電のまま維持するというスマートな設計だ。そのため、ノートPCとして何時間か使った後でも、取り外して使うことができる。充電するときはこの逆になり、タブレットが先に充電され、後からベースが充電される。
2つ目は、Surface Bookが持つ奇妙な点の別の例となっている。タブレット部分だけで数時間使い、バッテリがほぼ尽きたところでベースに接続したが、調べたいことがあって、またタブレット部分を外そうとした。ところが、キーボード側の取り外しボタンを押してもタブレット側を取り外すことができず、タブレットのバッテリが少し充電されるまで待つように、というシステムメッセージが表示されるだけだった。
確かに、充電が切れた状態のタブレット部分を取り外そうとは、誰も思わないだろう。それはもっともな話だが、やろうと思えば、タブレットの底部にあるプラグに電源ケーブルをつないで直接充電することもできる。筆者がこのような状況に遭遇したのは1回だけだったが、少し奇妙で設計上の柔軟性に欠けると言えるだろう。
パラレルワールドにおいてMicrosoftは、ノートPC型のSurface Bookをまず発表し、何年かたって、初期のシステムがほぼ完璧になってから、Surface Proのようなタブレットを投入したかもしれない。だがこの世界において実際には、Surfaceタブレットシリーズが先に登場した。おそらくは、指先で操作しやすい大きなタイルインターフェースの「Windows 8」が、タッチスクリーンタブレットとキーボード中心のノートPCを組み合わせる究極の手段だという発想に後押しされたからであり、当時新しかった「iPad」が、PCコンピューティングの存在を脅かすものに見えたためだろう。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス