会社分割か、レイオフか、再編か?Qualcommはこの1年間、収益性向上のために多くの選択肢を検討してきたが、どれも実行されないようだ。
2015年7月に浮上した報道では、Qualcommが利益目標を達成しようと苦闘し、スマートフォン出荷率の世界的な低迷に耐えながら、ビジネス手法の大幅な整理統合を計画していることが示唆されていた。スマートフォン分野での低迷は、当然ながら、チップの販売と特許ライセンス料により同社の財務を直撃している。
物言う投資会社のJana Partnersは、会社再編の最も明白な方法はチップ事業と特許事業を別会社にすることで、株主にとってはそれがベストだと述べていた。
しかしQualcommは、このアイデアを却下し、自社を単体として維持することに決めた。米国時間12月15日に声明で、Qualcommは、会社の財務状況と構造の「包括的な見直し」の結果、役員会は「現行の企業構造と財務構造により、技術的リーダーシップと製品の強みを維持するのに最良の体制にあり、長期的な株主の価値が最大になるよう牽引できる」と結論づけたと発表した。
Qualcommの最高経営責任者(CEO)を務めるSteve Mollenkopf氏は、現在の構造には「戦略的な利点」があり、こうした利点は再編を通じて得られるものではなく、新たな市場で今後成功するためのカギになると述べている。
Mollenkopf氏によると、将来の成長を推進する「的を絞ったプラン」が用意されており、他の方法を実行するよう圧力をかけられても、Qualcommが既存の事業を分割することはないという。
Qualcommは、チップ販売と特許使用料を一本化しておくことにより、ネットワーク性能の向上、デバイスのOEM、アプリケーションといった基本的な研究開発プログラムへの投資を維持できると考えている。チップセット事業が同社の知的財産の「広範囲にわたる早期導入を促進」し、顧客を販売とライセンス料の両方に呼び込むという。
「統合モデルは、資本構造が効率的で、Qualcommの技術投資からの堅調なキャッシュフローを推進し、収益性向上の機会と株主に対する大規模な資本還元プログラムへの投資を可能にする」(Qualcomm)
それだけでなく、Qualcommはまた、1つの企業が払う税金と経常費用は、2社を別々に経営する場合よりも少なくなると主張している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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