ときどきFacebookのニュースフィードをにぎわす診断アプリ。最近では、「私がFacebook上で、よく使う言葉は?」という診断アプリが話題になった。これらの診断アプリは、手軽に楽しめる一方で、個人情報が奪われる危険性も指摘されている。利用する前に確認しておきたいこと、知っておきたいFacebookの設定についてまとめた。
Facebookで定期的に流行するのが、「診断アプリ」だ。人は誰しも自分を深く知りたい上に、他人にも知ってもらいたいという欲求があるため、新たな診断アプリが登場するとあっという間に拡散していく。かつては、あなたはアニメのキャラでいうと誰?といった診断や、1年の投稿を総まとめして新聞形式で表示するアプリが流行した。
最近では、「私がFacebook上で、よく使う言葉は?」という診断アプリが世界的に人気となった。自分の過去の投稿でよく使われる言葉がクラウド型に表示されるサービスで、Facebookユーザーなら1度は見かけたのではないだろうか。
このサービスについてイギリスの「Comparitech」というサイトが「プライバシーの悪夢だ」と報じたことでさらに話題が広がった。Comparitechによると、名前、生年月日、学歴、居住地、IPアドレスなどをアプリの制作元である「vonvon」に引き渡しているという。
vonvonは韓国のスタートアップ企業で、先述のサイトに回答を寄せたり、インタビューを受けたりしている。「Comparitech」への回答によると、指摘を受けて収集する情報の範囲を調整したとのことだが、親しい友人を知るために学歴や居住地は引き続き収集するそうだ。ただし、収集したデータをvonvonで保管することはなく、第三者に販売することもないとしている。
こうした診断アプリの目的は、さまざまなケースが考えられる。最も多いのは、vonvon同様、アプリのログイン時に表示される広告からの収益だろう。また、自らが運営するFacebookページへの「いいね!」数獲得のためという場合もある。何らかの悪意を持った運営元なら、名前やメールアドレスなどの個人情報、友達リストの収集により、次のアクションを起こそうとしているのかもしれない。
不安を感じるのは最後に挙げたケースで、Facebookの個人情報が収集されることによって何が起きるのかという点だが、どういった被害が起こるかは想定しきれないというのが正直なところだ。例えば、メールアドレスと生年月日が流出することで、パスワードが割り出されてしまう可能性もある。すると、アカウント乗っ取りなどの被害も起こるかもしれない。
また、診断アプリでは、友達リストの収集も行われることがある。同姓同名のなりすましアカウントを作成し、あなたの友達に友達リクエストを送り、広告画像に友達のタグ付けをして宣伝を行うという事態も考えられる。一方、特に何も起こらないという可能性さえある。
友達リストの収集というと、2013年に独立行政法人・情報処理推進機構(IPA)が呼びかけたFacebookアカウントの乗っ取りへの注意を思い出す人もいるだろう。これは3人以上の偽アカウントを作り、友達承認させた上で「信頼できる連絡先」に設定させることで、アカウントの乗っ取りを行う方法だ。しかし、実際に試してみたところ、現在は「信頼できる連絡先」によってアカウントを利用できる経路は表示されなかったため、特に不安に感じる必要はなさそうだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス