「ネット恐喝」に多くの個人・企業ユーザーが直面---トレンドマイクロ

 トレンドマイクロは12月10日、同社の公式ブログ「トレンドマイクロ セキュリティブログ」で、2016年のセキュリティ脅威予測を発表した。同社によると、2015年の脅威動向として、国内で最も大きなトピックは、日本年金機構などで発覚した標的型メールによる情報漏えいだったという。

 日本年金機構を襲った犯罪者は、標的型メールを発端にセキュリティ対策を突破し、発覚するまでの間に情報を窃取し続けており、同社はこのような「気づけない攻撃」に注目して、広く注意喚起を実施している。

 世界規模では、イタリア企業「Hacking Team」や既婚者用出会い系サイト「Ashley Madison」の個人情報漏えいは、1企業のもたらしたインシデントにも関わらず、窃取された情報がサイバー攻撃や脅迫に悪用されるなど、社会的に大きな影響を及ぼしている。

 また、個人にとっても、不正広告、ランサムウェア、オンライン銀行詐欺ツール、マクロ型不正プログラムの再来など、多数の脅威にさらされた年であり、特に不正広告は、広告を表示するだけで感染してしまうという巧妙な手口を用いており、7月以降に増加を始め、現在もその勢いは継続しているという。

 2015年までの脅威動向や市場動向、サイバー関連法の整備(日本国内では、個人情報保護法の改正やマイナンバー法)をふまえ、2016年以降、セキュリティの脅威がどのように進展していくのかについて、トレンドマイクロは以下のような予測をしている。

  1. 2016年はネット恐喝の年に
  2. 標的を計画的に破滅に追い込む目的でハクティビストは情報漏えいを利用
  3. 中国が不正なモバイルアプリの増加を牽引し、2016年末までに2000万個に増加、そして世界中で狙われるモバイル決済
  4. 消費者向け IoTデバイスで深刻な問題が浮上
  5. 情報保護責任者の登用は今も進まず
  6. アドブロッキングの普及が広告のビジネスモデルだけでなく不正広告にも打撃を与える
  7. サイバー犯罪関連法が世界的な動きに向けて重要な一歩を踏み出す

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