CBcloudは、単身・少量の引っ越し専用のマッチングサービス「軽 town 引っ越しマッチング」を2016年2月2日から開始すると発表した。
現在、引っ越し業者の所有する車両の多くは2tトラック以上のため、荷物の少ない人にとっては割高になる傾向があるという。宅急便で送る、レンタカーや友人に頼むといった方法もあるが、ダンボール箱に入れにくい家電製品があったり、レンタカーの返却の手間やガソリン代、謝礼をどうするかといった問題もあり、そういった隙間を狙った試みが軽 town 引っ越しマッチングだ。軽貨物車両はドライバーによって異なるが、最大積載量は350kg。
利用方法は、単身引っ越しを希望する依頼者が、軽townアプリを通して日時や行き先、貨物量などの情報を入力し、引っ越し依頼を同社の登録ドライバーに一斉配信する。正確なダンボールの数がわからなければ、部屋の写真を送って見てもらうことも可能だ。
一方のドライバーは、条件を確認した上で配送料金を依頼者に提示する。依頼者は、応募があったドライバーの過去の評価や提示された配送料金を比較しながらドライバーを選択できるしくみだ。なお、ほかのドライバーがいくらを提示しているか、ドライバー同士は見られない。最低料金は5000円から。
ドライバーには、CBcloudから報酬として7%~10%のシステム利用料を差し引いた額が支払われる。ドライバーの評価や実績によって利用料は下がっていく。なお、依頼者がドライバーを評価するだけでなく、ドライバーも依頼者を評価することで、両者の質の向上を目指す。
軽貨物業界では通常60日後の支払いが多い中、軽 town 引っ越しマッチングは30日以内に1回の引き出しに対応する。アプリまたはウェブから振込依頼をすると自由に引き出せるのは、業界初の試みではないかという。
CBcloudは、横浜市に本社を置くベンチャー企業で、2014年2月より軽貨物運送の荷主企業とドライバーをマッチングする「軽 town」を運用している。
軽貨物のドライバーは通常の一般貨物と異なり、個人事業主として活動するドライバーがほとんどで、中にはフリーのドライバーもいるという。そういったフリードライバーと依頼者をつなぐサービスだ。
軽 townを介し、個人がドライバーへ配送を依頼する。さらにはドライバーが別のドライバーに配送を依頼するなど、マッチングを広げることで市場の活性化ができるほか、宅配便より安く、当日着も可能になるかもしれないと期待を寄せる。
最近では、ドライバーのネット印刷サービス「ラクスル」を運営するラクスルが運送会社に所属するドライバーの空き時間を使ったシェアリングエコノミーサービス「ハコベル」を発表。CBcloudのライバルとなるサービスだ。
CBcloud 代表取締役の松本隆一氏は、「20kmで4500円~は、業界の一般的な最低価格。軽 town 引っ越しマッチングは通常の運送と異なり、引っ越し作業料があるので、最低価格を5000円からに設定している」と説明する。
また、ハコベルは、ハコベルの料金表に基づいて料金を提示するのに対し、軽 townは「別の仕事のついでだから少し安くてもいいよ」と「私は質(評価)がいいからこれぐらいの金額でやらせてよ」といったように、ドライバーが荷主に金額を提示するエントリー制を特徴とする。
CBcloudには、創業者で代表取締役の松本氏をはじめとして、航空管制官出身という異色の経歴を持つメンバーがそろう。松本氏は起業前、国土交通省に入省し、航空管制官として羽田空港に勤務していたという。
ドライバー不足と言われる運送業界の中で軽貨物のドライバーは増えており、その事業者数は全国で15万人を超えると言われる。
松本氏は、あるきっかけから、運送会社を運営する人がどんなときもドライバーの調整のために電話が手放せない状況にあることを見聞きするうちに、この軽貨物運送業界をもっと効率化したいという思いが強くなったという。
「飛行機の世界では、共同運行(コードシェア)するなどして連携を強化し、空席がでないよう効率化している。でも、軽貨物業界はそうでないことに気がついた」(松本氏)。個人的にプログラミングを手がけていた経験を生かして、会社を設立した。
マッチングシステムにより、現在の問題となっている空便の運行を減少を目指す。また、地域のドライバーの活性化によって地方の再生、運送業界を魅力あるものに変えていきたいとしている。
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