米国が21世紀の交通システムを導入しようとしているなら、自動運転車やコネクテッドカー、データ分析といったものが対象になるが、そのアプローチについては全面的に見直したほうがよい。その過程で、都市が道筋をつける役目を果たすかもしれない。
これが、「Smart City Challenge」プロジェクトの背景にある考え方だ。米運輸省(DOT)は米国時間12月7日、電話による記者会見を開き、米運輸省長官Anthony Foxx氏がプロジェクトを発表した。
Foxx氏は、「われわれの国家的ビジョンは、技術の統合に関して、いまだに20世紀的な考え方に大きくとらわれている」と述べた。「新興のテクノロジに最もふさわしい実験室は、そのテクノロジを最も必要としている場所、つまりわれわれのコミュニティーだ」(Foxx氏)
DOTが定義した、人口20万から85万人規模の中都市は、未来の交通問題を解消するテクノロジを導入した独自の「スマートシティ」構想のアイデアを応募することができる。
特に中都市を対象としている理由は、こうした都市では将来の人口増により、数十年後には交通インフラが限界に達すると見込まれているためだ。DOTが発表した報告書「Beyond Traffic」によると、今後30年間に、米国の人口は現在より7000万人増加し、その大半がこのプロジェクトが対象とするような都市部に落ち着くだろうとしている。
コンテストに入賞した都市には、最大5000万ドルが授与される。そのうち、1000万ドルはPaul Allen氏が率いる投資会社Vulcanが出資し、未来の交通システムの目標達成に役立てる。これらの目標は、ゆるやかに定義されたもので、具体化するための作業は大半が参加した都市に委ねられている。テーマとしては、交通渋滞の解消や自動運転車の統合、自動車間通信の活用などが選べる。このコンテストでは、都市が安全性の促進や環境保護を重視するのであれば、あらゆる可能性にチャレンジできる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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