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ソフトバンクらから1億ドルを調達--インドのホテル予約サイト「Oyo Rooms」

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 2015年9月時点で訪日外国人の数が過去年間最多の1341万人を上回るなど、日本の観光産業、旅行業界は大盛り上がりだ。一方、海外に目を向けると、新興国のなかでも一際注目を集めるインドも、2013~2015年で旅行市場規模は年平均12%成長。今後もさらなる成長が見込まれる。それに伴い、インドのオンライン旅行業界も急成長中。同時期で年平均18%の成長、航空券やホテルを予約する各サイトも事業を拡大させている。

 しかし、インドに旅行したことがある人は経験したことがあるかもしれない。ホテル予約サイトを利用して、いざホテルに到着すると、ウェブサイトの写真とは大きくかけ離れた不潔な部屋や、質の低いサービスに後悔することが多々ある。このギャップの問題の解決に取り組み、日本のソフトバンクらから120億円を調達したサイトが「Oyo Rooms」だ。そのCEOは、先日22歳になったばかりのRitesh Agarwal氏である。


「Oyo Rooms」

信頼できるホテルブランドのポータルサイト

 インドの従来のホテル予約サイトでは、提供するサービスやアメニティをホテル側が入力することができたため、その情報は必ずしも信頼できるものではなかった。サービスの質も主観の交じるレビューを頼って判断せざるを得なかったため、期待はずれなこともあった。

 Oyo Roomsに掲載されるには、厳しいプロセスがある。Oyo Roomsは、無料Wi-Fi、朝食、エアコン、テレビをふくむ30項目のチェックリストを独自に作成。社員がホテルを直接訪れ、チェックしている。基準を満たしているホテルにはOyo Roomsの看板が与えられる。基準を満たしていないホテルも、部屋の内装、家具、設備などをリフォームし、サービスの改善指導を受けることで、看板が与えられ、サイトに掲載される。


Oyo Roomsの看板

 さらに、Oyo Roomsのホテル体験チームはホテルを定期的に訪れ、数日間のチェックをする。ホテルは、サービスの質を下げないよう、たえず努力しなければならないのだ。このような仕組みのおかげで、旅行者は「Oyo Roomsで紹介されているホテルならなら大丈夫」という安心感を得ることができ、ホテルもブランドの質を高く保つことができる。つまりOyo Roomsは、信頼できるホテルブランドが集まるポータルサイトなのだ。

 Oyo RoomsはiOS、Android対応のモバイルアプリも展開。アプリではルームサービスの注文が可能。今後は、IoTも導入してアプリで部屋のエアコンやテレビなど電気製品を操作したり、ホテル周辺の食堂やレストランを探したり、タクシーを配車したりする機能も追加していく計画だ。

 最近では変わった使い方をするユーザーも。停電が起きて家でエアコンを使うことができなかったり、お酒を飲み過ぎたことを両親にばれたくない若者がOyo Roomsのホテルに宿泊するという。また、都市部でクリケットの試合があると利用者が爆発的に増えるというのも実にインドらしい。

ホテルに専用アプリ搭載のタブレット端末を貸し出し

 Oyo Roomsで提供されているホテルは、格安クラスで一泊約1800円~2800円、ミドルクラスで約3000円~7500円の価格帯。サイトで紹介される格安クラスの料金は通常料金よりも安い。さらに、30%オフなど割引クーポンも配布しており、さらにリーズナブルに利用することができる。扱うホテルの価格帯は、今後さらに広がる予定だ。

 Oyo Roomsはホテル側にもユニークなサービスを提供している。独自のアプリをインストールしたタブレット端末を貸し出している。ホテルは、宿泊客のチェックイン・チェックアウトの状況、清掃作業の進捗状況、空室状況をアプリで管理できる。

 そのデータをもとに、Oyo Roomsは部屋の宿泊料金を最適に設定したり、ホテル側にサービス改善を提案する。Oyo Roomsはホテル側に10~30%の宿泊手数料を請求するが、多くのホテルで収益は向上しているようだ。


ホテル向けの専用アプリ

 Oyo Roomsは2013年5月にサービスを開始。サービス開始時点ではたった1軒のホテルしか提供されていなかったが、それがいまでは国内152都市にある3000軒以上。アプリは100万ダウンロードを突破し、50%以上のトラフィックはアプリ経由となっている。

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