UPDATE Adobeは米国時間12月1日、同社「Creative Cloud」のアップデートをリリースしたが、最大の変更点は、「Flash Professional CC」が「Adobe Animate CC」に名称変更されたことだろう。「Flash」から「HTML5」へと軸足が移されていることを象徴する動きだ。
公式には、Flash Professional CCの名称変更は「このツールによって作成されるコンテンツ形式をより正確に反映させるため」ということになっている。その一方でAdobeは、同社がデスクトップ用の新しいHTML5動画プレーヤーに取り組んでいることを明らかにした。
Adobeはブログ投稿で、Animate CCへの名称変更の理由を次のように説明した。
なぜ変更するのか。オープンウェブ標準とHTML5を使用することが、ウェブ上を支配する標準となっている。Flash Professional CC製品チームはこの数年間、この動きに対応するべく、ツールをゼロから書き換え、HTML5 CanvasやWebGLのネイティブサポートを追加し、拡張可能なアーキテクチャによって任意のフォーマット(SVGなど)への出力を可能にした。この柔軟性はAdobe顧客に多大なメリットをもたらしている。現在、Flash Professional CCで作成される全コンテンツの3分の1以上がHTML5ベースで、世界中の10億台を超える端末で閲覧されている。オープンウェブとそれ以降に向けた最高水準のアニメーションツールとしての役割をより明確に反映するために、名称を変更した。
今回の動きは遅すぎるほどだったかもしれない。Flashは、セキュリティに問題がありウェブページが遅くなるとして多方面から攻撃を受けていた。Adobeはインタラクティブツールにおける主導的な地位を維持したいと考えており、HTML5に軸足を移す上で新しいメッセージの発信が必要だった。
IDCのアナリストAl Hilwa氏は次のように記している。
これは、Adobeが自社ツールでHTML5サポート能力に上手く軸足を移行させていることと関連している。Adobeのアニメーションツールにおける名称変更は、HTML5出力が可能になり、その目的で広く使用されていることを反映している。そのため、新しい名称は、ユーザーが認識している機能と使用パターンにおける重要な変化を反映している。
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