医師限定のソーシャルメディア「MedPeer」を運営するメドピアは11月4~5日の2日間、ヘルステック(医療とヘルスケアのためのIT)のグローバルカンファレンス「Health 2.0 Asia - Japan」を都内で開催した。
介護ロボットや歩行支援装置など、ヘルスケア分野においてはロボット技術が進化を続けている。2日目のセッション「Robotics 2.0」では、介護ロボットの現状と今後について、ロボット研究開発の第一人者が講演した。介護ロボットの例として、歩行支援装置のデモも披露された。
ロボット研究の第一人者として、国立研究開発法人産業技術総合研究所 ロボットイノベーション研究センター長の比留川博久氏が登壇し、介護ロボット開発の背景を説明した。介護される側は、現状では自分のやりたいことができておらず事故も多い。介護する側は、仕事が大変で満足度も高くない。介護事業者の平均利益率は8%と高いが人手不足。行政面では、介護費用が拡大している。
介護をめぐるこうした問題に対処するために、ロボット技術を利用する。開発の方向として、まずは移動を支援する機器を開発する。風呂に入るためのシステムや、歩行支援システムなどがある。さらに、見守りセンサを開発し、事故が起こらないようにリスクを管理する。
比留川氏は、介護される側に向けたロボットの例を写真で示した。自力で歩けない人向けには、車いすの形に変形して移動できるベッドや、人を移動させるスリングシートなどがある。一方、自力で動ける人向けには、前に寄りかかって移動する歩行器などがある。
介護する側に向けたロボットの例も示した。これらは、介護する側の力を増幅する。例えば、筋電位を調べて腰に力をプラスして腰痛を防止するロボットがある。訪問介護向けには、空気圧を使った装置もある。男性1人女性1人のペアで使うと、高齢者を垂直にベッドに上げ、水平に移動し、浴槽に入れることができる。
屋外を移動する歩行支援装置の例も示した。講演の後半では実際の製品のデモンストレーションとして、RT.ワークスが電動アシスト付き歩行機を、本田技研工業が体に装着する歩行支援ロボットを、それぞれ紹介した。
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