医師限定のソーシャルメディア「MedPeer」を運営するメドピアは11月4~5日の2日間、ヘルステック(医療とヘルスケアのためのIT)のグローバルカンファレンス「Health 2.0 Asia - Japan」を都内で開催した。
2日目のセッション「The Future is Now ~未来のテクノロジー~」では、スマートフォンでアクセスして会話できるバーチャル看護師、術前術後の心臓を再現する心臓シミュレータ、電子カルテの内容から患者の転倒リスクをAI(人工知能)で分析するシステムなど、ヘルスケア分野で使われている最先端のIT技術が紹介された。
講演の進行役は、一般社団法人オレンジクロス理事長でセントケア・ホールディング執行役員医療企画本部長の岡本茂雄氏。セントケア・ホールディングは地域包括ケアを実施している会社で、地域の高齢者に多くのサービスを届けるために、様々な技術を使っているという。講演では、ヘルスケアを支える先端IT技術の例を、それぞれの会社が紹介した。
米Sense.lyでCo-founder & CEOを務めるAdam Odessky氏が実演して見せたのは“バーチャル看護師”だ。言語を認識する看護師のアバターを使って、患者へのインタビュー(アンケートへの回答)や遠隔医療などを音声で行えるシステムだ。自分専用の極めて優秀な看護師がスマートフォンの中にいるイメージだ。
米Sense.lyがバーチャル看護師を開発した背景には、慢性の疾病が医療システムにとって負担になっているという状況がある。米国では、50%の医療費は人口の5%の患者が使っているという。こうした状況を緩和する手法として開発した。バーチャル看護師と患者が会話することで、患者がどのような症状なのかを聞き出せる。患者のトリアージに使っている例もあるという。
講演では、日本語を話すバーチャル看護師のデモンストレーションが行われた。デモ内容は、認知行動学の観点から治療が必要な患者へのインタビューだ。スマートフォンの画面に表示された看護師が音声で患者に話しかけた内容のサマリは、以下のようなものだ。
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