2020年の東京オリンピック開催に向け、「超人スポーツ」と呼ばれるテクノロジを使った“新しいスポーツの創造”を目指す活動が活発化している。スポーツの拡張には、機械で身体機能を拡張するヒューマンオーギュメンテーションという分野があるが、ここでは機械による「道具の拡張」を指向する2つの研究に注目したい。
電気通信大学児玉研究室とバレーボールメーカーとして有名なミカサが開発したのは、デジタルスポーツのための新しいエンターテインメントプラットフォームである「M-Digital Ball」。ボールに内蔵された6軸センサと圧力センサの値をBLE(Bluetooth Low Energy)モジュールを使ってコンピュータに送信し、ボールの動きに合わせてリアルタイムに映像と音声を生成するシステムである。
E-TECHでは、フリースタイルフットボールの選手による華麗なリフティングパフォーマンスにあわせて、ダイナミックに映像や音声が変化するデモが披露されていた。選手の動きと映像がシンクロしている様子は、エンターテインメントして充分に満足できるものであった。
東京ゲームショウなど数々のイベントで話題をさらった「参式電子弓」をE-TECHでも見ることができた。本物のアーチェリーの握り手部分にセンサやスティック型PC、モバイルレーザープロジェクタ、バッテリなどを搭載しており、弓を向けた先に矢や的が映像として投影されてゲームができるというものだ。
弓を引き絞り、目標を定めて指を離すと、その場になかった矢が壁面に投影されたコンピュータ空間を飛んでゆく様は、ヘッドマウントディスプレイを装着して体験するVRゲームとは違う、体の動きと感覚にズレのないリアルな体験となっていた。
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