レノボ・ジャパンは11月11日、創立10周年を記念したメディア向けの事業戦略説明会を開催した。
まずは日本IBM時代から「ThinkPadの父」として知られている、レノボ・ジャパン 取締役副社長の内藤在正氏が登壇し、ノートPC「ThinkPad」シリーズの歴史を振り返った。
ThinkPadが日本で開発された経緯について同氏は「当時の日本IBMには、小型PCを作るためのさまざまな技術がそろっていた」と語る。当時の日本IBMでは、TFT LCDディスプレイ、3.5/2.5インチ小型HDD、低消費電力CMOS、SLC(HDI)高密度実装基板、PCチップセット、パワーマネジメントBIOS、小型製品製造から試験技術まで幅広い技術を保有。さらに協力企業が持つバッテリ、高効率電源、FDD、キーボード、カーボンファイバなどの各技術を集めることで、小型PCの開発にリーチしやすい環境が整っていたのである。
「ThinkPadは、どこにいてもオフィスと同等の高い生産性を提供し、なおかつ仕事に専念できるようPCの使用や管理に関する煩わしさを最小限にするビジネスツール。当初から、お客様の成功を最終目的として開発してきた」と内藤氏は語る。
さらに内藤氏は、これまでThinkPadが歩んできた歴史を5つの世代として解説する。1992~1999年の第1世代は、「ThinkPad 700C」登場で順調な滑り出しを見せたブランド創世の時代だ。
2000~2004年の第2世代では、多種多様化したシリーズのラインアップを見直したブランド再定義期。2005~2009年の第3世代では、CPU高速化をはじめとしたハードウェアスペックの強化やソフトウェアによる操作性向上などで、さらなる優位性を確立したイノベーションの時代。
2010~2011年の第4世代にはSMB向けに開発したシリーズを投入し、2012年以降の第5世代ではWindowsタブレット「ThinkPad Tablet」や新たなフォームファクターでPCの進化を牽引してきた。
「2005年にレノボがIBMのPC事業を買収した際は、お客様から『ThinkPadが変わってしまうのではないか』と心配の声が上がった。そこで『開発理念・開発陣ともに継続していくのでThinkPadは変わらない』と説明したところ、多くの励ましをいただいたのが嬉しかった」と、買収当時を振り返った。
ThinkPadは2014年に累計出荷台数が1億台を突破。「今後もお客様のさらなる成功を目指して、新たな技術開発に取り組んでいく」と続けた。
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