ARMは米国時間11月10日、「Cortex-A35」を発表した。「これからスマートフォンユーザーになる10億人」が64ビットコンピューティングを利用できるように設計されたプロセッサで、ウェアラブルなどの新たな用途も視野に入れている。
Cortex-A35は複数の顧客企業にライセンス供与されており、2016年末までに搭載デバイスが登場する見込み。今回の発表で最大のポイントは、ARMがその技術で、従来よりもはるかに広範な市場をターゲットにしていることだ。
ARMは、「ARM TechCon 2015」カンファレンスで今回の発表を行った。「Cortex」ラインで最新となる同製品では、ARMの「TrustZone」技術と「ARMv8」アーキテクチャにおいてセキュリティが強化されている。
ARMはこれまでに、「Cortex-A5」や「Cortex-A7」を搭載したエントリーモデルの携帯電話を20億台以上出荷してきた。これらのプロセッサは50~200ドルの価格帯のデバイスに搭載されている。ARMにとって次の段階は、Cortex-A35で現在のフィーチャーフォン市場を狙うことだ。いずれは、すべての携帯電話がスマートフォンになるだろう。
特筆すべきもう1つのポイントは、「モノのインターネット」(IoT)市場をターゲットにするARMの能力にCortex-A35がうまくフィットすることだ。ARMの最新プロセッサ技術は、最初はスマートフォンで注目を集めるだろうが、同社は複数のデバイスを視野に入れている。
以下のスライドは、ARMがCortex-A35を利用できると考える分野を取り上げている。
ARMのプレスリリースによると、Cortex-A35はCortex-A7と比べて性能と効率が平均20%高いという。
アーキテクチャの面では、ARMはデバイス、センサ、IoTのエコシステムを確保するために攻勢をかけている。TrustZoneは、信頼できるソフトウェアを信頼できないソフトウェアから隔離するゾーンを設ける。狙いは、これらのコンポーネントにセキュリティ機能を組み込んで攻撃される面を減らすことだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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