日本では原発事故による放射性物質や中国からのPM2.5など大気汚染への懸念が高まっているが、同じアジアのマレーシアでは毎年ヘイズ(煙害)の被害に苦しんでいる。
ヘイズ(Haze)とはインドネシアのスマトラ島やカリマンタン島などで行われる大規模な野焼きや森林火災が原因で起こる煙害のこと。パーム油の原料となるアブラヤシの農園拡張のために森林を焼き払う違法な野焼きが、森林火災を引き起こし煙害を深刻化させている。特に毎年インドネシアの乾季にかけて悪化し、煙は南西季節風に乗ってシンガポールやマレー半島をも白く覆う。まさに「越境煙害」だ。
2015年は9月ごろから大気汚染の度合いを示す数値が健康被害を及ぼすレベルに達し、数メートル先が見えないこともある程ひどい状態。9~10月にはクアラルンプールを始め、全国6500校以上で度々休校措置がとられた。
咳やくしゃみ、喘息、気管支炎など、ヘイズによる健康被害を訴える人も続出。日々の外出や子どもを遊ばせる上で、また学校の休校措置を予測するために、大気汚染指数(API)をチェックするアプリが欠かせなくなった。APIを表示するアプリは多々あるが、今回はその一例としてダウンロード数が突出する「Malaysia Air Pollution Index」を紹介しよう。
大気汚染指数APIを調べるアプリ「Malaysia Air Pollution Index」は、マレーシア天然資源環境省の環境局が発表するAPIデータを読み込んでいる。
アプリの使い方はとても簡単。起動すると、すぐに最寄り地点の最新のAPIが表示される。表示された画面をタップすれば、その地点における毎時間の数値の変移が確認できる。50以下は良好、51~100は中程度、101~200は不健康、201~300は 非常に不健康、300以上が危険。「LIST」タブではマレーシア、シンガポール、インドネシアの各地点の数値が一覧になって表示される。「MAP」タブでは地図上で数値を確認できる。
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