Tor Projectは、プライバシーの侵害や監視の可能性を懸念するユーザー向けに、簡単に使える暗号化メッセージクライアント「Tor Messenger」のベータ版をリリースした。
非営利のTor Projectが運営するTorネットワークは、オンラインユーザーをより追跡しにくくすることを意図した接続経路とサーバのシステムで、インターネット活動を偽装するとともに、「.onion」ウェブサイト上にホストされたウェブの隠された領域にアクセスする。
Tor Projectが手がける複数のプロジェクトの1つが、Tor Messengerだ。このたび一般向けにリリースされたTor Messengerは、ユーザーが別のメッセンジャーシステムに接続することを可能にするメッセージングアプリケーション「Instantbird」をベースにしている。
Tor ProjectはInstantbirdが選ばれた理由として、その転送プロトコルが「メモリセーフ」言語であるJavaScriptで記述されていること、既に複数の言語をサポートしていること、InstantbirdがXULアプリケーションであることを挙げている。InstantbirdにはOff-the-Record(ORT)暗号化プロトコルのサポートが欠けていたが、Tor Messengerのベータ版にはこの機能が新たに実装された。
OTRメッセージングはデフォルトで自動的に実装されており、メッセージの内容を盗み見ようとする監視者を苛立たせるのは間違いない。Tor Messengerの主な特長の1つは、すべての監視対抗プロトコルを組み込んだ使いやすいチャットインターフェースで、匿名化サービスを設定し利用する際にありがちな複雑さをなくしている。
Tor Messengerのベータ版は、「Jabber(XMPP)」「IRC」「Google Talk」「Facebook Chat」「Twitter」「Yahoo」ほか各種の転送ネットワークをサポートする。
同ベータ版は、「Windows」と「Mac」、「Linux」の32ビット版および64ビット版でそれぞれ利用できる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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