ウェブの生みの親として知られるTim Berners-Lee氏は米国時間10月26日、重要な投票を控え、「インターネットを救う」ためにオンライントラフィックを平等に扱うべきとするコンセプトを擁護するよう欧州の政治家らに呼びかけた。
欧州議会は今週、欧州における今後のインターネットのオープン性と、インターネットサービスプロバイダーによるオンライントラフィックの制御の有り方について定める重要な法案を採決することになっている。Berners-Lee氏は、ウェブはオープンネットワークとして自身が構築したものであり、そのことが現在のユビキタスなプラットフォームへと進化する上で鍵を握ってきたと述べた。すべてのインターネットトラフィックを平等に扱うべきとする考え方は、業界で「ネット中立性」として知られている。
ネット中立性を保護および強化するために既に提出された法案をただちに修正することについて、Berners-Lee氏のほかにも、影響力を持つ一部の人々からも支持する声が上がっている。修正案が不採用となれば、「技術革新や言論の自由、プライバシー、そして(中略)欧州がデジタル経済を主導する能力」が危機に瀕するだろうと、Berners-Lee氏は26日のブログ投稿で述べた。
ネット中立性をめぐる採決は、欧州のインターネットユーザーに多大な影響を及ぼす可能性がある。この数か月前には、米国で独自のネット中立性法案が可決している。Berners-Lee氏をはじめ、テクノロジ企業数社を含む反対派は、既に提出された法案には抜け穴があるとし、それによってインターネットサービスプロバイダーがトラフィック速度を操作し、進んで料金を支払う大企業に優先的な「高速レーン」(Fast Lane)を割り当て、他の利用者が利用するトラフィックが遅くなる可能性があるとみている。一方、インターネットサービスプロバイダーは、誰もがインターネットに確実にアクセスできるようにするためにプロバイダー側でネットワークトラフィックを柔軟に管理する必要があると主張してきた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
パナソニックのBioSHADOWが誘う
心地良い室内空間のつくりかた
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス