サムスン、オラクルとの提携による企業向けモバイルアプリを発表へ

Kevin Tofel (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2015年10月26日 09時28分

 今週開催される「Oracle OpenWorld 2015」イベントでは、大小の企業向けに共通のテーマを掲げた多数のアプリが披露される見込みだ。その多くが、サムスンのスマートフォン、タブレット、スマートウォッチ上で動作する。

 エンタープライズ向け「iOS」モバイルアプリの開発に向けたAppleとIBMの提携に似ているように思えるとしても無理はない。IBMが社外顧客向けのソフトウェアと、コスト削減を達成している社内ハードウェアの両方で、Appleのプラットフォームを強く支持していることを受けて、サムスンは「Samsung Enterprise Alliance Program」をサポートするビジネスパートナーを他に探さざるを得なかったようだ。

 サムスンは米国時間10月23日、今週開催されるOracleのイベントの予告として、Oracleの「Mobile Cloud Service」を利用する複数の新しいアプリを紹介した。

 イベントでは何がデモされるのだろうか。ビジネス分野への進出に向けて用意したものの例として、サムスンは以下の2つを挙げた。

 「HCLの予測保守ソリューションは、これまでは紙のファイルが大量に生成されるのが常だった、機械や重機の管理を可能にする。AuraPlayerの衝突報告システムは、重大な事件を迅速に報告して、交通当局が直ちに措置を講じられるようにする」

 またサムスンは、オーストラリアのビジネスソリューションプロバイダーであるRinamiが提供し、サムスンの「Gear S2」スマートウォッチで動作するフィールド資産管理ツールも披露する予定だ。

 これは興味深い。サムスンは、自社のスマートウォッチにおいて「Android Wear」ではなく独自の「Tizen」プラットフォームを使用するという戦略的決断を下しているからだ。

 Android Wearを選択していたら、Android Wearパートナーとして同じモバイルプラットフォームを使用する企業が、他に少なくとも5社は存在するはずだった。

 Tizenをサポートするエンタープライズアプリを得たことは、サムスンにとって成功を意味する。それは後に同社のスマートフォン事業にメリットをもたらす可能性がある。サムスンは10月、2機種目となるTizen搭載スマートフォンを発表している。

 同社のTizen搭載スマートフォンは、現時点では低価格端末市場をターゲットとしているが、同社がTizenを、高価格帯のスマートフォンへと徐々に移行させようとしているのは間違いない。

 サムスンは、サムスン開発者向けのプラグイン「Cordova」も今週披露する予定だと述べている。これによってプログラマーは、「Galaxy」シリーズのスマートフォンに対して同社が提供する「S-Pen」スタイラスとマルチウィンドウサポートを、より簡単に利用できるようになる。


この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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