(編集部注:米CNETによる「OS X El Capitan」のレビューを3回に分けて翻訳して公開します。第1回は10月21に公開されています。第2回は10月23日に公開されています)
第2回より続く。
受信箱の管理に関して言えば、Mailアプリは、筆者が通常最初に選ぶツールではない。筆者のデジタルライフの大部分はGoogleのサービスに囲まれているからだ。それはそうと、Appleの標準Mailクライアントは刷新が施された。
以前に比べて、マルチタスクが間違いなく簡単になった。メッセージを開始すると、容易にそれを最小化することもできるし、個別のタブで複数の電子メールを処理することもできる。さらに、メッセージの上には通知が表示され、「午後5時に会おう」といった電子メールに含まれる提案を、イベントとしてカレンダーに追加したり、新しい連絡先をアドレス帳に追加したりするよう促してくれる。こうしたインテリジェントな言語解析はすべてユーザーのコンピュータ上のMailクライアントで実行されている、とApple関係者は筆者に抜かりなく話してくれた。Appleのサーバには何も送信されない。
ジェスチャーもサポートされる。右にスワイプして、電子メールに既読や未読の印を付けることができる。メッセージの上で左にスワイプすると、そのメッセージが削除される。「Gmail」ユーザーは、その削除機能をアーカイブに設定することができるが、メールクライアントでは依然として「Trash」と表示されるため、筆者は未だに当惑する。
AppleのMapsは初公開時から大きな進歩を遂げてきたが、筆者が方々へ行かなければならないときは、今も「Google Maps」を利用している。しかし、今後はもうGoogle Mapsを利用しなくてもよくなるかもしれない。Mapsは、米国において公共交通機関のサポートが追加され、美しく、分かりやすく分類された案内情報でユーザーを目的地まで誘導してくれる。「iPhone」のユーザーは、道案内情報を簡単にiPhoneに送信できるので、「Mac」で移動の計画を立てた後、出先からiPhoneでその情報にアクセスすることが可能だ。そうした複数の機器間の連携は、Appleのエコシステムに完全に身を委ねようと思わせる非常に魅力的な要素となっている。
「OS X El Capitan」というパズルの最後のピースを成すのが、数値化するのが最も難しい要素、つまりパフォーマンスである。Appleは、内部の性能強化により、すべてが以前より少し軽快に感じられるようになったと言及している。全く同じ2台のマシン(1台は「OS X 10.10 Yosemite」、もう1台はEl Capitanを搭載)を並べて比較することができれば、違いが分かるだろう。アプリ間の切り替えは、若干円滑になったように感じる。Mailクライアントのメッセージの読み込みが少し速くなった。速く滑らかな動作と既に感じていた要素がさらにスムーズに感じられる。著しい変化ではないが、これらのちょっとした改善で節約されるわずかな時間は、長い目で見れば大きな差を生むだろう。
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