カリフォルニア州ラグナビーチ発--Appleの最高経営責任者(CEO)Tim Cook氏は米国時間10月19日、The Wall Street Journal(WSJ)が当地で主催する技術カンファレンスに登場し、多方面にわたるインタビューに答えた。
Cook氏は、Appleの新しい音楽サービス「Apple Music」の会員数や新型「Apple TV」の出荷時期を明らかにするとともに、人権推進、環境改善、教育支援における同社の責任についても熱心に語った。世界を技術で変えたいと願った同社共同創設者であるSteve Jobs氏が遺したものをAppleが守り続ける限り、自分に対して人々が苛立ちを感じても気にしないと同氏は付け加えた。
Appleは、モバイル決済やウェアラブル技術といった新しい製品分野へと事業をこの1年間で拡大しているが、自動車技術にも取り組んでいると見られている。自律走行車技術には、GoogleやUberなどの企業が力を入れて取り組んでおり、Appleが自律走行車を計画しているという憶測が何カ月も前から飛び交っている。「Titan」という開発コード名のプログラムに、数百人ものエンジニアが取り組んでいるとされている。
Cook氏は、秘密を明かすようなことはなかったが、自動車にAppleが着目していることは認めた。ソフトウェアが「未来の自動車におけるますます重要な要素」になりつつあり、自律走行は「将来的にこれまでよりもはるかに大きく重要性を増す」だろうと同氏は述べた。当初において、自動車分野におけるAppleの取り組みの中心は、同社の「CarPlay」技術によって、運転者が「車内でiPhoneを快適に利用できるように」することにあるとCook氏は述べた。同氏は、より長期的な目標は明かさなかったが、それが重大なものになる可能性を示唆した。
「業界は、単なる進化的変化ではなく、大規模な変化の変曲点にあるとわたしは思う」とCook氏は述べた。
Cook氏は、CEOとしての社会的活動について尋ねられ、人権と環境を支援することが正しい行為だと述べた。
「還元したいと思っている」とCook氏は述べた。「世界を最初に目にした状態よりも良い状態にして残すことが、われわれの企業文化であり、そのために懸命に努力している」(Cook氏)
また、同氏は、Jobs氏についても語った。Jobs氏は、1990年代半ばの瀕死状態からAppleを救い、世界で最も強力で価値がある企業へと変えた。
Cook氏は、「Steve(Jobs氏)は、世界を変えるためにAppleを創設した」と述べた。「それが彼のビジョンだ。彼は、皆に技術を届け、使えるよう力を与えたいと思っていた。技術をガラスの家や巨大企業、技術のある金持ちから持ち出して、人々に届け、素晴らしいことをする力を与えるようなことをしたいと思っていた。この思いは、依然としてわれわれも持っており、原動力となっている」(Cook氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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