きっかけ作りもそうですが、マルチデバイス化によって視聴の仕方も変わってきました。今回のリニューアルでは、0.5~2倍まで再生速度変更機能を採用しています。
これはユーザーのヒアリング調査などから出てきたニーズなのですが、最初聞いたときには本当に必要なのかなと。しかし実際に搭載されてみると、通勤時など、電車内で見るときに思いのほか便利なんですね。TSUTAYA TVでは作品をオフラインでも視聴できるダウンロード機能も備えていますが、こちらと合わせて使用されている人は非常に多いです。
パケット代が気になるからダウンロード、移動時間でも見やすいように再生速度変更などは極めて日本的な発想だと思いますが、こうした細かやな対応が使い勝手を良くしていくのだと感じていて、そこに関してはかなりシビアに取り組みました。
2015年は動画元年と言われていますが、これだけサービスが登場してきても、VODはまだ日本に根付いていないと感じます。米国では有線放送や有料放送が日常的に受け入れられていますが、日本は地上波で、コンテンツは無料というのが当たり前の世界。「有料でネット視聴」といってもなかなか切り替えてはくれません。
今必要なのはオンデマンドで映画やドラマを見るという文化を作ることです。サービス事業者が増えて、ライバルも増えた、とよく言われますが、ライバルでもありますが“同志”でもあると思っていて、一緒に啓蒙活動をやって、この市場を広げていきたいと思っています。
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