Adobe Systemsは米国時間10月13日に複数のセキュリティパッチをリリースした。同社はその翌日にセキュリティアドバイザリで、現在「Adobe Flash Player」の深刻な脆弱性に対処するための新たなパッチに取り組んでいるところだと発表した。なお、この脆弱性は限定的な標的型攻撃で利用されていることが確認されているという。
現在Adobeがパッチの作成に取り組んでいるこの脆弱性は、攻撃者によるマシンの遠隔制御を可能にするものであり、Flashのすべてのバージョンに影響があるという。
同社はセキュリティアドバイザリに早ければ10月16日にアップデートをリリースする予定だと記している。
この脆弱性(CVE-2015-7645)はTrend Microによって発見されたものだ。同社によると、この脆弱性は標的型サイバー攻撃キャンペーン「Pawn Storm作戦」で利用され、複数国の外務省にサイバー攻撃が仕掛けられているという。これらの外務省には、シリアやガザ、イラクなどで現在発生している地理的、政治的な情勢に関連があるかのように見せかけられた標的型メールが送りつけられている。
Trend Microのブログには「各国の外務省は、Pawn Storm作戦において、格好の標的となっています」と記されている。
また、「不正プログラムによる攻撃以外にも、偽の『Outlook Web Access(OWA)』が標的となる複数の省庁に対して設置されていました。こうした攻撃の手法は、単純な一方で非常に効果的なフィッシング攻撃に利用されており、こうしたフィッシング攻撃で個人情報が窃取されることになります」と記されている。
さらに「また、ある外務省においては、受信メールのDNS設定が改ざんされていることも判明しています。つまり、Pawn Storm作戦では、2015年中長らくの間、受信メールを傍受していたことを示唆しています」とも記されている。
Trend Microによると今回の攻撃で使用されたURLは、同社が4月に報告していた、北大西洋条約機構(NATO)や米ホワイトハウスを標的にした攻撃で利用されたURLと似ているという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)