ショッカソンの初日、9月23日に開催されたアイデアソンには、シルバーウィーク中にもかかわらず100人の一般参加者が集まった。この日の目的は、協賛企業、大学の各担当者から提供されたデバイスやサービスのデモや説明を聞いて中身を理解すること。さらに、協賛大学、企業の担当者を巻き込んだ参加者全員でのブレインストーミングの実施、最後に「ハッカソン」に向けたチームビルディングである。
アイデアソンでは、協賛大学や企業担当者による提供デバイス、サービスのプレゼンを聞きながら、参加者が自由にデバイスに触れ、総勢120人でブレインストーミングをした。
この120分のブレストでは、計300近いアイデアが生まれ、その中から投票で「抱きしめてくるリュック」や「星座に触れるデバイス」、「足裏で感じる道案内シューズ」など、10月3日、4日開催のハッカソンに向けた個性溢れる10個のテーマが決定。これらを元にハッカソン参加チームが編成された。
10月3日はアイデアソンで編成された10チームと、新規募集による3チームが再びデジタルハリウッド大学に集結。富士ゼロックスの竹内伸氏によるショッカソン恒例の「始触式」が、電気通信大学の梶本裕之教授の協力のもと執り行われ、ハッカソンは開始された。
各チームはそれぞれの開発スペースを確保し、使用したいデバイスを協賛大学、企業から借り、10月4日のデモとチームプレゼンに向けて、ひたすら開発に没頭した。ショッカソンの大きな特徴の1つが、「体験可能」なプロトタイピングをしなければ大きな評価を得られない点にある。
他のハッカソンイベントでは、しっかり実装されていなくてもプレゼンで挽回できる場合もあるが、ショッカソンでは、各チームの作品を体験できるデモ時間を2時間も設けており、審査員はもちろんのこと、参加者もデモでの体験がイマイチだと評価しない。
それだけハードウェアのプロトタイピングを本気で行うため、ひたすら発砲スチロールを削っている人がいたり、思考錯誤のためにぬいぐるみを抱きしめている人がいたりと、会場の様子がみるみるとカオス化していった。これもショッカソンの大きな魅力だ。
そして10月4日、各チームのデモ展示が開始された。これらプロトタイプを審査するのは、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の南澤孝太准教授、NTTコミュニケーション科学基礎研究所の渡邊淳司氏、メディアアーチストで筑波大学デジタルネイチャー研究室を主宰する落合陽一氏、「日本の性文化」をテーマに作品を発表するアーチストの市原えつこ氏、日本のMakerコミュニティーをサポートするサービス「MakersHub」のプロデューサーである多田羅理予氏の5人である。
「ショッカソン審査員は、電気刺激をビリビリ受けたり、遠隔キス体験をさせられたり、ひどい目に遭うことがわかりましたwwww」という市原えつこ氏の発言どおり、ショッカソンでは、審査をする側もされる側もとても過酷な状況に追い込まれる。デモタイムには、各審査員がそれぞれの作品をじっくりと体験し、制作チームにさまざまな質問をしている光景が印象的だった。
デモが重要であるショッカソンにおいて、チームプレゼンはややオマケ的な感もあるが、どのチームもかなりしっかりとしたスライドを作成して臨んだ。プレゼン後の質疑応答では、チームに対して各審査員より厳しい質問が向けられる場面もあったが、やがて審査員同士のブレストに発展してしまうあたりが、ショッカソンらしい光景だった。
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