スマートフォンネイティブが見ている世界

リテラシーで二分する大学生--SNSで不採用になる「ソー活」の現状 - (page 2)

「ここは安心」の油断でリベンジポルノや炎上被害も

 米国では、設定した秒数で送った画像が消えるアプリ「Snapchat」で問題が起きている。もともと、Snapchatが流行したのは、炎上が多発してSNSへの書き込みは安全ではないという認識が広まったことが背景にある。それゆえ、瞬間のコミュニケーションを楽しめるSnapchatが歓迎されたというわけだ。しかし、実際は少しも安全ではなく、さまざまな事件につながっている。

 Snapchatでは、相手がスクリーンショットを撮ろうとすると送り主に通知が行くようになっている。しかし、相手にばれずにスクリーンショットが撮れるアプリは多数あり、けして安全ではない。先日、別の回でもご紹介した通り、最近になってSnapchatの説明にも、「Snapやチャット、またはストーリーが期限切れによりサーバーから削除されても、受け取った人がスクリーンショットの撮影やイメージキャプチャ機器の使用によりメッセージをキャプチャし、保存することは防げません」という注意書きが入っている。


相手にばれずにSnapchatのスクリーンショットが撮れるアプリは多数ある

 「shapchat sexy」などと調べると、流出したらしきSnapchatを使った肌露出の多い少女たちの写真が多数見つかる。おそらくボーイフレンドなどに送ったところ、その写真をネットに流されてしまうリベンジポルノ被害にあった少女たちと思われる。画像が消えると信じ込んで自分の半裸・全裸の写真などを送りつけてしまったというわけだ。

 デジタルデータでは、「絶対に安全」ということはない。ところが、「ここは安全」と誤解した学生たちが問題行動を起こす。たとえば「mixi」は安全という印象が強いが、mixiでも多数の炎上が起きたことはご存じだろうか。たとえば、2013年10月のダイヤモンド・オンライン調べによると、炎上が起きた媒体は1位は「Twitter」で52%だが、2位はmixiと個人ブログがそれぞれ16%で続いている。「mixiは検索対象ではないし匿名だから安心」と油断して問題ある投稿をした結果、公開範囲を間違えたり、スクリーンショットをとられたりして炎上したというわけだ。

 LINEは検索対象とはならず、友達になりグループに招待されなければグループトークは読むことができないため、安心という感覚を持つ人は多いだろう。しかし、学生の間でLINEでトラブルが起きた例を耳にした。ある学生が、LINEグループでグループ内にいないB子の悪口を書き込んだ。ところが、そのグループ内にB子と親しくしている学生がいて、スクリーンショットを撮ってB子に転送し、大問題となったという。この類いのことはあちこちで起きている。

「ソー活」時以外もSNSへの書き込みには注意を

 「ソー活」の時はネットの書き込みに注意していても、匿名アカウントなどで問題ある投稿などをしては意味がない。2013年6月に起きた「原発事故子ども・被災者支援法」の担当をしていた復興庁参事官が、Twitterで市民団体などを「左翼のクソども」などと中傷した事件を覚えているだろうか。あの事件では、参事官は匿名でTwitterを利用していたが、身分を特定されて異動・停職処分となった。

 たとえ匿名だったり公開範囲が限定されていても、スクリーンショットを撮られて炎上することがある。炎上は、対象者が何か非があることをした場合、その人を糾弾するという大義名分の元に行われる。

 炎上するか否かを決めるのは、罪の重さではない。話題性があるかどうか、対象者が恵まれているかどうかで決まることがある。話題性があるというのは、芸能人がらみや著名チェーン店がらみなどの場合だ。対象者が恵まれているというのは、たとえば有名大学の学生だったり、内定が決まっていたりする場合だ。

 企業は、採用内定通知、誓約書などに記されている内定取り消しにあたる一定の事由がある時、内定を取り消すことができる。一定の事由とは、たとえば以下のようなものだ。

  • 卒業できなかった時
  • 採用選考時に提出した書類に虚偽があった時
  • 刑事処罰を受けた時
  • 会社の対面を汚す行為をした時

 炎上事件などを起こした場合は、「会社の対面を汚すようなことをした」ととらえられて内定取り消しになる可能性は高い。SNSは友人関係を円滑にする楽しむためのものだ。そのようなもので人生を棒に振ることがないよう、保護者は学生たちにSNSにおける禁忌事項を伝えてあげてほしい。

高橋暁子

ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。

ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/

Twitter:@akiakatsuki

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