ウェアラブル・テクノロジを軸に、ビッグデータやIoTの利活用などをテーマに国内外の有識者がプレゼンテーションやディスカッションを行う「Wearable Tech EXPO in Tokyo 2015」が、9月7~8日の2日間、お台場の東京ビッグサイトTFTホールで開催された。「スーパーヒーローをデザインするということ」と題したプレゼンテーションでは、数多くの人気SF映画においてインターフェースのデザインを担当している、UIデザイナーのJayse Hansen氏が、自身のUIデザインに対する考えを語った。
Hansen氏は、「アベンジャーズ」「アイアンマン」「ベイマックス」といった人気映画において、インターフェースのデザインを担当。Hansen氏がデザインしたのは、作品の中で登場人物が使用するディスプレイやモニタ、ヘッドマウントディスプレイに映し出される画面のインターフェースであり、あくまでフィクション(=架空)の中で存在するもの。主人公をはじめとする登場人物の演技や、作品の演出を引き立てるために重要なものだ。「作品中で常に気を付けていることは、登場人物の顔を覆ってはいけないということ。さまざまなものにデザインを載せることは簡単だが、表情などを“隠さず”に作ることは、AR(拡張現実)をデザインする上で重要だ」とHansen氏は説明。「本当は私のデザインを(登場人物を覆い隠すくらい)全面的に出したいのだが、それはできない。ささやかな抵抗として、デザインのどこかに私の名前を残すようにしている」(Hansen氏)
Hansen氏の仕事は、劇中に登場するディスプレイなどに映し出されるインターフェースを1ピクセル単位で綿密にデザインすることだ。ユーザーは作品の登場人物であり、彼らが操作した際の動きをも細かく設計しデザインに落とし込む必要がある。「私の仕事はストーリーテリングのためのものであり、そこにUXはないとよく口にする。なぜならユーザーは存在せず、フィクションのものであるからだ。しかし、出演者は『そんなことはない』と言ってくれる。『あなたのユーザーはたまたま映画の出演者であり、UXを説明してくれれば、あなたのデザインしたインターフェースを使いこなしているように演技ができる人たちだ』と。“ストーリードリブン”なのが私の仕事だ」とHansen氏は説明する。
ただ、Hansen氏はこのインターフェースについて「ユーザー中心のデザインではなく、オーディエンス(視聴者)中心のデザインだ。フィクショナルUIデザインとも言える」と語る。つまり、作品の視聴者に場面の臨場感や緊張感を伝えるためのデザインを意識するということだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
NTT Comのオープンイノベーション
「ExTorch」5年間の軌跡
すべての業務を革新する
NPUを搭載したレノボAIパソコンの実力
日本のインターステラテクノロジズが挑む
「世界初」の衛星通信ビジネス
先端分野に挑み続けるセックが語る
チャレンジする企業風土と人材のつくり方