現在いくつかのウェアラブル企業とパートナーシップを組んでいるFocusMotion。iOSとAndroid両方のアプリに対応できるスマートウォッチ「Pebble」とパートナーシップを組んでいる。ウォッチに搭載されたモーションセンサの精度を向上させる取り組みを進めている。
また、ユーザーの1日の活動量を報告し合うSNS「フィトクラシー」ともパートナーシップを組んでいる。フィトクラシーは、ワークアウトのメニューをこなすことでポイントを稼ぎ、ほかのメンバーと競い合える機能を提供している。FocusMotionのトラッキング機能を使い、一人ひとりの運動メニューをもとに正確な消費カロリーを計算することが可能になる。
2014年6月にフィットネス中の人間の詳細な動きをトラッキングする技術「ボディ・バー感知システム」の特許を取得したアップル。2015年9月になって「Apple Watch」のOSをバージョンアップし、FocusMotionとの連携を強固にした。FocusMotionは現在、すべてのAndroid Wearデバイス、Pebbleとの連携を可能にしている。アップルとしても、他のスマートウォッチと差別化を図るためにFocusMotionと提携したい理由がある。
現在、心拍数を計測し消費カロリーを正確にとれるスマートウォッチは市場にとても少ない。ガーミンの「vivoactive」などを含めて数個しかない状況だ。心拍数計が付いたApple Watchは、2015年4~6月の出荷台数を400万台と大きく伸ばし、すでにスマートウォッチ業界の75%を占めたと言われている。心拍数計とアプリプラットホームの優位性を生かして業界第2位につけたApple Watchの次の目指すところは、モーションセンサである可能性が高い。
スポーツ以外にも、さまざまなユースケースがあるFocusMotion。工場勤務の工員にアクティビティトラッカーをつけ、疲労を検知すれば休養をとらせるなどして、労働災害が発生するのを防止するという企業向けの取り組みが始まっているという。リハビリ患者にアクティビティトラッカーをつければ、理学療法士がコーチングできない家庭でのリハビリ練習を正しく実施しているかなどのフィードバックを得ることも可能だ。
アクティビティトラッカーの販売企業も、保険会社と提携して運動量に応じた保険プランを発表するなどしており、正確な活動量の計測には大きなニーズがあることがわかる。直近では、MLB球団L.A.ドジャースの運営するベンチャーアクセラレータファンドからの支援が決まっている。
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渡邊拓貴(わたなべ ひろき)
カリフォルニア州立大、早稲田大学でアスレチックトレーニングを学ぶ。ロンドン五輪では馬術競技選手のトレーナーとして帯同。現在アメリカで起業し、アスリート向けのトレーニングプラットフォームを開発中。
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