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スポーツテック最前線

野球で変化球の投げ方を教えてくれる「FocusMotion」--アップルとも提携

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 スポーツはテクノロジの力によってどうイノベーションしていくのか。この連載では、スポーツトレーナーの視点から、海外を中心とした最先端の知見と事例を紹介する。今回は「スポーツ×ウェアラブルデバイス」をテーマに、野球のピッチャーが投球練習のパーソナルトレーニングを受けられるソフトウェアを開発した「FocusMotion(フォーカスモーション)」を紹介しよう。


 カリフォルニア州サンタモニカで2013年に創業したFocusMotionは、体の動きをトラッキングして解析するソフトウェアを開発している。

 創業のきっかけは、Nikeなどのアクティビティトラッカーが人々の活動量を正確に計測できていないことに気づいたことだったという。最近までほとんどのアクティビティトラッカーは、歩数から活動量を予測することしかできなかった。そのため、ユーザーがその場からあまり動かないヨガやエアロバイクなどの消費カロリーは計算することが難しかった。

人間のすべての動きを解析するアルゴリズム

 FocusMotionは、ウェアラブルデバイスのジャイロスコープや加速度計、筋電計にアクセスする開発キットを提供している。

 FocusMotionを使えば、体の角度を解析するジャイロスコープや、体が移動する速度を取得する加速度計にカンタンにアクセスすることができる。つまり、フィットネスアプリを開発するために、なくてはならない指標をカンタンに手に入れられるのだ。

 ターゲットは、ウェアラブルデバイスのメーカーやアクティビティトラッカーと連動するアプリの開発者だ。FocusMotionは、アプリやウェアラブルデバイスのOSの開発者から、1ユーザーにつき1カ月1セントを課金させる仕組みのビジネスモデルを展開している。日本でも使用できるので、詳しい料金体系などはウェブサイトを見てほしい。

 FocusMotionの強みは、あらゆる動きを機械学習させることができる「ロボ」という機能だ。たとえば、ヨガのインストラクターの動きをすべて「ロボ」に解析させて、モデルの動きを作ることができる。生徒は、手をあげておく位置や角度、体の動きを静止させておく時間がインストラクターと同じかどうかアプリを通して知ることができる。

 記事執筆にあたり、FocusMotionの創業者であるグラント・ヒュー氏にインタビューをすることができた。そこで、ヒュー氏自ら「手を振る」動作をロボに覚えさせて、同じ秒数やテンポで手を振っているかどうかを解析する様を見せてくれた。きちんと教えた通りに手を振っていればカウントされるので、より正確にワークアウトでの消費カロリーを計算できそうだ。

 ヨガアプリならこの仕組みを利用して、ヨガの動きを忠実に真似するためのフィードバックが得られる。腕につけているアクティビティトラッカーからでも、ヨガのポーズをしている体全体の姿勢やキープしている秒数などを正確にトラッキングできるという。これからは、以前この連載で紹介したBSX Insightのように、足に装着するタイプのアクティビティトラッカーに対応するためにアップデートしていくという。

 フォーカスモーションの技術を使えば、投手の投球動作を解析することも可能になる。腕の振り方や回転をトラッキングし、変化球の投げ方の指導に生かすことも可能。どんなウェアラブルデバイスでも選手のパフォーマンスをトラッキングできるようにするという。

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