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What's Ingress ?

新生Nianticが「Ingress」をベースに挑むアドベンチャー--川島氏、須賀氏インタビュー - (page 3)

別井貴志 (編集部) 井指啓吾 (編集部)2015年09月18日 12時00分
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川島氏:その部分に対しては、我々自身もなぜなんだろうといつも思っています。前回のインタビューでも同じような回答をしたかもしれませんが、Ingressは、自分で歩いて“今まで知らなかったもの”を発見した時の楽しさや、体を動かすことによる気持ちよさの中で、クリエイティブな気持ちになったり、他人と交流しようという前向きな気持ちになったりします。その結果、現在のように、エージェント同士がどんどんつながっていって、よいコミュニティが作られたのではないでしょうか。

 現在、日本各地でファーストサタデー(Ingress First Saturday/エージェントの交流と初心者の育成を目的とし、世界各国で毎月第1土曜日に開催されているイベント)が開かれていますが、それらはエージェントが自ら企画していて、バリエーションが生まれているんですよ。

 たとえば高知県では、スコアを競い合うものではなくて、ただバーベキューをやるだけの会になっています。青森県では毎月、小さくてもいいからファーストサタデーを続けていて、定例会のようになっています。エージェントがさまざまな楽しみ方、つながり方を見つけているようです。

 そういうのは、我々には本当に予想できないことです。「こうあってほしい」と思って作ったものとはぜんぜん違うものになることもあります。エージェント自身のクリエイティビティに驚かされているというのが現状で、「どうしてこうなっているんだろう」と思いながら、次の手を考えている感じです。


須賀氏:Ingressは拡張現実のゲームなので、その内容が常に現実世界に重なっています。人々の生活との境界線が曖昧であり、中には、ある意味でIngressのほうが自分の生活だという人もいる。そう考えると、人はみんな、根っこではよい人なんじゃないかと個人的に思います。

 人とつながることによってわき上がる「いいことをしたい」「人のために何かしてあげたい」という気持ちが、拡張現実を通して前面に出ているのが、Ingressのコミュニティなのではないでしょうか。

川島氏:先日、静岡県に行ってエージェントと話をしてきました。印象に残ったのが「挨拶は魔法だよね」という話。そのエージェントのお子さんが、空港でパイロットに会った時に挨拶をしたところ、ステッカーをもらえて喜んだ。それから、電車などの運転手を見かけたら挨拶をするようになったそうです。その方はそれを、Ingressでリアルキャプチャ(外で他エージェントに声をかけること)するときに思い出すと(笑)。

 静岡には「出会い」というポータルがあって、その周辺にいろいろな銅像(ポータル)が集まっているため、エージェントが集まりやすいそうなんですね。そして、その場で挨拶をするのが定番になっているようです。そうすると、人びとがつながっていって、よいコミュニティが構築できたと。

 挨拶するのに、悪い人だったら声をかけられないと思いますが、Ingressをやっている人だったら、まあ大丈夫じゃないかって。まさに「よい人なんじゃないか」と思い、話しかけているのではないかと思うんですよね。

須賀氏:「近所付き合い」というのがありますが、ご近所さんの名前や家族構成、勤め先などをすべて知っていたのが、日本の伝統的な村社会だったと思います。そして、それを息苦しいと感じる人もいらっしゃる。

 Ingressの場合は、近くに住んでいることを何となく知っていて、実際に会っていればその人がどんな人かも知っている。ただし、本名や勤め先など“どうでもいい情報”は何も知らない。本来のコミュニケーションに不要な情報がそぎ落とされた状態で交流しているからこそ、今のようなポジティブなコミュニティが生まれているのだと思います。

 これまでインターネットには、悪意を増幅させてしまう要素がありました。Ingressはテクノロジを使って、人のつながり方の新しい形を実現できると思います。ジョンが昔からよく言っていたことで、今までの地域性に加えて、インターネットと共通の趣味を持った、ハイブリッドなコミュニティ。まさにそれがイングレスの強固なユーザーにつながっているのではないかと思います。

--ムーブメントを起こしている中心にはレベル16(最上位)のエージェントたちがいますが、それ以上レベルが上がらない中でプレイするモチベーションはどうなるのでしょう。Ingressもゲームなので、そのうち飽きられるのでは。

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