(編集部注:米CNETによる「iOS 9」のレビューを2回に分けて翻訳して公開します。後編は9月28日に日公開されています)
Appleの「iOS」の新バージョンは、きらびやかな新型スマートフォンや超大型タブレットほど大きな注目を集めることはないかもしれないが、米国時間9月16日にリリースされた同社の最新モバイルOS「iOS 9」によって、モバイルデバイスの未来に対するAppleのビジョンを多くのユーザーが初めて体験することになる。
iOS 9には多数の変更点や新機能がある。バッテリ持続時間がわずかながら延びており、新しい低電力モードが導入されたた。このモードで、充電が切れそうになる窮地を切り抜けられることがあるかもしれない。「Siri」や軽視されがちな「Notes」アプリにもいくつか新機能が追加され、Appleは「News」アプリ(現在は米国でのみ利用可能)でニュースアグリゲーションに挑戦している。「Maps」さえ少々便利になった。
過去数年以内に発売されたApple製モバイルガジェットなら、iOS 9にアップデートできるはずだ。新OSは「iPhone 4s」「iPad 2」、初代「iPad mini」、第5世代「iPod touch」、それ以降に発売されたすべての端末をサポートする。iOSの設定からのOver The Air(OTA)ダウンロードか、「iTunes」から、今すぐ入手可能だ。
しかし、真の主役は「iPad Air 2」「iPad mini 4」、そして11月に発売予定の「iPad Pro」だ。iOS 9の新しいマルチタスキング機能によって、これらのタブレットが真のオフィスマシンとなり、2つのアプリを横に並べて使用できる機能(「Split View」)が提供され、遅延やパフォーマンス低下なしで動画視聴や「FaceTime」チャットが可能になる。他の最近のiPadでは一部の新機能が利用できず、改善されたオンスクリーンキーボードやピクチャインピクチャ動画などは提供されるが、複数アプリ同時表示モードはSplit Viewより限定的な「Slide Over」だけとなる。
その他にも多くの新機能がある。iOS 9が提供する最高の機能を見ていこう。
AppleのデジタルアシスタントSiriにいくつか新機能が追加された。写真撮影好きなユーザーが特定の写真を探すとき、これまでよりはるかに具体的な言葉で検索できるようになった。たとえば、「Show me photos I took in Oakland」(オークランドで撮った写真を見たい)、あるいは「Show me photos I took last April」(去年の4月に撮った写真を見せて)と伝えると、そのとおりのことをしてくれる。Mapsでバーを調べているときや友人に電子メールを書いているときに急に邪魔が入ったら、「Remind me about this later」(後で思い出させて)と言うだけで、Siriがユーザーに代わってそのメモを作成する。このちょっとした機能が追加されたことで、デバイスに向かって話しかけることが増えるかもしれない。
ガジェットと会話することにためらいを感じる人は、強化された検索機能を気に入るだろう。iOS 9では、ホーム画面を下にスワイプする操作に加えて、右にスワイプしてもSearchにアクセスできるようになった。利便性もかなり向上している。連絡先を検索すると、カレンダーの重要な日付(誕生日など)や、その人にすぐにメッセージ送信や電話発信ができるショートカットキーが表示される。他のものを検索したときは、Notesや「Apple Music」、Mapsなど、デバイス上でサポートされているアプリの関連検索結果が表示される(該当するものがある場合)。また、前よりも少しユーザーのアクションを先読みするようになり、最近連絡した人や頻繁に連絡する人、近くにある興味深い場所を表示するほか、ユーザーの過去の行動に基づいて、おもしろそうなアプリや場所を提案する。
ユーザーの関心事を1つのパーソナライズされたニュースフィードに集約しようとする「Flipboard」「Feedly」といったアプリやサービスが成長を続けるなか、AppleはNewsアプリによってその市場に割って入ろうとしている(現在は米国でのみ利用可能)。選択対象のメディアは非常に多く、選べるトピックはそれ以上に幅広い。フィード内の記事をスワイプして切り替えたり、興味のあるニュースを連絡先や他のアプリと共有したりできるほか、記事を保存して後で読むこともできる。
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