UPDATE ライドシェアサービスのLyftは長い間、競合のUberよりも規模の小さな企業とみなされてきた。Lyftのサービス提供地域が全米65都市なのに対し、Uberは60カ国300超の都市でサービスを展開している。企業評価額でみると、Lyftが25億ドルであるのに対し、Uberは500億ドル超だ。
しかし、こうした状況もまもなく変化するかもしれない。
Lyftは米国時間9月16日、中国の配車サービス最大手Didi Kuaidiとの提携を発表した。LyftとDidi Kuaidiはいずれも、スマートフォンアプリでドライバーと乗客を結びつけるサービスを提供している。今回の提携により、両社のアプリがリンクすることになり、乗客は普段利用しているアプリを、海外旅行中でも自国にいるときと同じように使えるようになる。同時にDidiは、Lyftに1億ドルを投資する予定だ。
中国国内だけで360都市以上で事業を展開するDidiは、同国の配車サービス市場で圧倒的なシェアを誇り、企業評価額は160億ドルだ。同社によると、ドライバーの数は500万人を超え(Uberは100万人程度)、1日1000万件の配車リクエストがあるという。
Uberの最高経営責任者(CEO)であるTravis Kalanick氏は6月、中国での事業拡大を目的として2015年中に10億ドル超を投資する計画を、投資家向けの書簡に記したと言われている。同氏は先週、Uberが今後12カ月以内に中国で事業を拡大し、さらに100都市でサービスを提供する計画であると発表した。
とはいえ、Uberの前に立ちはだかるのは中国の規制当局の存在だ。中国当局者は5月、Uberが無免許営業(つまり、違法営業)かどうかを調査するため、広州と成都にある同社事業所を訪れた。また2015年に入ってから、中国の交通運輸部が、特に「Uber」のようなアプリを引合いにし、無許可タクシーに対する規制の厳格化を求めた。
一方でDidiは、地方都市でサービスを開始するのに先立ち、中国の規制当局と連携している。Didiが中国当局と良好な関係にあることは、中国での競争における優位性になっている。
Lyftは過去に、国際市場への参入を直ちに実施する計画はないと表明していたが、今回、同社の事業拡大計画の内容が明らかになった。Lyftの創設者兼プレジデントのJohn Zimmer氏は9月16日の記者会見で、中国以外の国でも、インドのOlacabsやシンガポールのGrabTaxiといった各国の企業と提携するかどうかは言及しなかった。しかし、Zimmer氏は、「われわれのビジョンであるコミュニティーの人々をより良い輸送手段で結ぶことは、米国だけのことでは消してない」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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