NTTドコモは9月15日、iPhone 6s/6s Plusの発売日となる9月25日から導入する受信時最大262.5Mbpsの「PREMIUM 4G(プレミアム4G)」開始に先駆け、説明会を開催した。
対応機種はiPhone 6sとiPhone 6s Plus、対象地域は、1都2府15県(東京都、大阪府、京都府、神奈川県、千葉県、埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県、山梨県、愛知県、岐阜県、三重県、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県、静岡県)。対象地域以外では受信時最大187.5Mbpsとなる。新サービスについては、9月10日に発表済みだ。
NTTドコモはこれまで、高速ネットワークへの取り組みとして、2013年9月に1.7GHz帯/1.5GHz帯をLTEフルレーンとして拡充することで受信時最大150Mbpsを実現する「フルLTE」を開始。2015年3月よりLTE-Advancedを導入し、複数の周波数帯を束ねるCA(キャリアアグリゲーション)により受信時最大225Mbpsの「PREMIUM 4G」によりネットワークサービスの強化を図ってきた。
NTTドコモ 取締役常務執行役員の大松澤清博氏は、さらなる「快適さ」を実現するポイントとして、(1)国内最速の受信時最大262.5Mbps、(2)4つのCAをベストセレクト、(3)ユーザーの多い都市部のトラフィックニーズへの対応の3つを挙げた。
ドコモは4つの周波数をもとに、下記の4つのCAを提供する(いずれも受信時最大)。
今回の受信時最大262.5Mbpsは、112.5Mbps(2GHz)+150Mbps(1.7GHz)を束ねて実現するものだ。
4つのCAのうち、どのCAを使用するかは、端末のスペックとその時点での電波状況で決まるという。
具体的には、「実効速度が速いものをCAを的確に選択し、基地局と端末で申し合わせて通信する。CAのパターンが増えることで最も適したCAが利用でき、効率的で安定的な高速通信を実現できる。PREMIUM 4Gでは、単純な切り替え制御でなく、直近の通信状況や全体の最適化により、実効速度能力が最大化される。速度にバラつきがありネットワークが不安定だと動画が一時的に止まるなど不都合があるが、(CAの)ベストセレクションにより快適に利用できるようになる」(大松澤氏)と説明した。
エリアは、9月末には全都道府県へ展開し、640都市に対応。さらに第四四半期までには900都市以上に拡大する計画を明らかにした。
NTTドコモが目指すのは、あらゆるシーンでの快適さの向上だ。「渋谷の駅前など、集中する場所ではこれまで朝や夕方の通勤時間帯は一時的に遅くなることがあった。これまでは文字が中心だったが、スマホで動画を見るお客様が増えてきた。この先も4K、8Kとなることが見えている。少し先を展望して、快適さをお届けできるよう通信環境を整える必要がある」(大松澤氏)
NTTドコモでは、2014年6月より実効速度を測定できる「スピードテストアプリ」を導入。Android/iOS版を提供し、50万ダウンロード、700万回の測定数があったという。ユーザーの体験を“見える化”しながらデータを解析し、改善を重ねてきたという。
特に山手線の駅前など混雑するエリアは、LTEとPREMIUM 4Gを比べると、6駅平均で約4倍になるとした。また、最繁時の平均実効速度は、PREMIUM 4Gの導入前と後を比べると、都市部で約20%、全国でも10%向上するとした。
NTTドコモは、今後もさらなるトラフィックの増加を見込む。2015年11月にはCAをさらに強化し、3つの周波数を束ねた3CC CA(キャリアアグリゲーション)により300Mbpsを実現する。対応デバイスは、サービス開始とともに発表される見通し。さらに2016年度には370Mbps、2020年度には5Gの実現を目指すとした。
「先進のネットワーク、効率的でシンプルなネットワークを実現しながら、高い評価を得ている安心、安全の取り組みも強化する。ネットワークの進化を期待して欲しい」と語った。
なお、NTTドコモが提供する新iPhoneのモデルナンバーは、iPhone 6sが「A1688」、iPhone 6s Plusは「A1687」という。5月からスタートしたSIMロック解除の義務化を受け、今後他社が販売したiPhone 6s/6s Plusのロックを解除し、ドコモで使用する可能性がある。この点について、同じモデルであれば対応するが、すべての新iPhoneに対応するものではないとコメントした。
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