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Wearable Tech Expo 2015

世界を狙うのにハイテクはいらない?日本発のIoTデバイス、AkerunとRingのこれから - (page 2)

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「なんでも作れる最強状態」のログバー

 ログバーの吉田氏は、2014年10月に発売した指輪型デバイス「Ring」を開発している。最新版は2015年にリリースされた「Ring ZERO」で、初代よりサイズがコンパクトになり、8月には家電量販店での販売も開始した。


株式会社ログバー代表取締役 吉田卓郎氏

 Ringは、指にはめて空中に文字を書くようにジェスチャー操作することで、Bluetoothで連携している機器の動作をコントロールできるもの。吉田氏は新しい機能の1つをその場でデモし、プロジェクタで表示しているプレゼンテーション資料のスライドをめくったり、数字を描くことで直接そのページにジャンプできる様子を披露した。

 初代のRingを発売してからの約1年で、吉田氏は「ハードウェアの知識がめっちゃ増えた」と語る。同氏は元々ソフトウェアエンジニアで、ハードウェアについてはほぼ素人だったが、Ringのリリース後から学び始め、ソフトウェアとハードウェアの両方を理解できるようになったことで「なんでも作れる、最強の状態になっていると思う」と自信をみせる。

 Ringは、最初のリリースが予定より遅れ、製品サイズも想定より大きくなり、完成度について不安視されていた頃もあった。しかし、同氏は「時間って大事。時間とクオリティは比例する(時間をかければ良い物ができる)が、最初は時間(をかけずにリリースする方)をとった」という。あえて完成度については目をつぶったところもあるようだが、今となってはそれが「正解だと思った」と断言する。

 クオリティをある程度上げた後で出すのでは、今の時代のスタートアップ企業がリリースするハードウェアとしてはタイミングが遅すぎるというのが理由の1つで、時間をかけない方が、失敗してもすぐに改善のサイクルを回すことができる利点もあると主張する。そうして常に早さを意識して開発を進めてきた結果、現在は米国、日本、中国の3カ所に拠点を構え、15人のスタッフを抱えるまでに成長したとのことだ。

イノベーティブさと共感が世界と戦うのに大事!?

 フォトシンスとログバーのどちらも日本企業だが、IoTやウェアラブル機器に関しては今のところシリコンバレーを中心とする米国の動きが最も活発だ。そんな激戦の中を日本企業が勝ち抜くチャンスはあるのだろうか。モデレーターの1人、Wearable Tech Expo in Tokyo エグゼクティブ・ディレクターの上路健介氏は、「日本人らしさ」が今後のカギになるのではないかとにらんでいる。

 「日本人らしさ」とは、奥ゆかしさ、きめ細かさというある程度世界に評価されている部分や、グループワークで消極的になりがちなシャイなところ、といったややネガティブな側面も含まれる。

 例えばログバーの吉田氏は、米国の大学で学んだにもかかわらず、そのまま米国に留まって会社を興すことはせず、日本に戻ってからRingを作り始めたが、その理由は「アメリカ人と気が合わなかった」からという。「チームとして彼らと一緒にできるかなと考えた時に、難しいものがあった」とし、日本人と仕事をする方がやりやすいと訴える。

 結局、IoTやウェアラブルデバイス開発の領域において、「日本人らしさ」をどのような利点に結びつけられるかは明確な結論が出ないままだったが、上路氏は「自分は、去年まではとにかくハイテクにすればいいという考え。でも今はハイテクにするのはどこの国でもできると思う」と述べ、日本人としてはテクノロジが高度かどうかに関わらない別のところに成功のヒントを求めることを暗に促した。

 ログバーの吉田氏も、「単純に『世界を取れるかどうか』を基準に考えて商品を作っている」と話し、「ハイテク」であることよりも、「イノベーティブ」で、「ユーザーの共感が得られるもの」であることを何よりも重視している。「(日本では)経営がうまい人が勝ち組みたいなところがある。自分としては、どうだ、この製品はイノベーティブだろう!という感じで、どーんといきたい」(吉田氏)というように、勢いのあるマインドも、これからのハードウェアスタートアップに必要な要素なのかもしれない。

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