「Enno」は、日本語テキストに含まれる入力や変換のミス、誤字脱字などのエラーをチェックできるツールだ。テキストを流し込んでチェックを実行するだけで文中のエラーをリストアップし、本文にマーキングする形で詳細を教えてくれる。
使い方は前回紹介した「日本語校正サポート」とよく似ており、チェックを行いたいテキストを貼り付けたのち「日本語のタイポ/変換ミス/誤字脱字エラーをチェック」ボタンをクリックするだけ。問題点が見つかれば、テキスト本文中に黄色いマーキングがついた状態で表示される。具体的な内容はマーキング部分をマウスオーバーすれば表示されるほか、画面下に一覧表示されるので、そちらをチェックしてもよい。
チェック対象は「日本語のあからさまなエラー」とされており、具体的な例として「タイポ、スペースのエラー、誤字脱字、変換ミス、入力後の編集ミス、文字化け」が挙げられている。前回の「日本語校正サポート」は、こうした複数の項目の中から必要なものだけを選んでチェックを行えたが、本サービスはそうした機能はなく、オールインワンでしかチェックが行えない。そのため、特に指摘を必要としない項目であっても毎回指摘されてしまう。使い方によっては、鬱陶しく感じることもあるだろう。
Yahoo! JAPANのテキスト解析Web APIのような既成のAPIサービスを用いるのではなく、ユーザから募集したエラーデータを用いて検出を行っているとのことで、チェック結果は前回の「日本語校正サポート」の傾向とはまったく異なる。「日本語校正サポート」では見つからない問題点がリストアップされることもあるが、誤検出も多いほか、明らかなミスを見逃すことも多々ある。その一方、タイプミスや誤変換の検出率は比較的高いようだ。
現時点で蓄積されているエラーデータは6200件余。ユーザーからの投稿によって日々進化は遂げているようなのだが、実際に使った限りの感想としては、網羅性は「日本語校正サポート」のほうが圧倒的に高い。ブックマークレットも用意されているなど拡張性は高く、また英語スペルミスデータのチェックも行える利点もあるが、現時点ではタイプミスや誤変換の検出率が高いことを活かして下書き段階で利用するか、他のソフトウェアやサービスを使ったあとのクロスチェックのように補助的な用途で活用するのがよさそうだ。
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