ディー・エヌ・エー(DeNA)は8月28日、Androidスマートフォンの画面に表示されるゲームやECアプリなど、あらゆるものを生配信できるコミュニケーションアプリ「Mirrativ(ミラティブ)」を公開した。当面は時間を限定し、20~24時のみ利用可能にする。
Mirrativを使うことで、配信者はスマートフォンの画面で起こっていることを、そのまま視聴者のスマートフォン画面にリアルタイムに表示できる。配信する際は、音声付きで実況したり、画面中の小窓で自分の顔を表示したりすることも可能。それに対し視聴者は、感想や質問などのコメントを残したり、スタンプを送ったりできる。
画面は縦型のコンテンツであれば縦画面、横型であれば横画面のフルスクリーンサイズで視聴者側に表示される。また、電話着信時やプッシュ通知などプライバシーに関わる表示は、自動または手動で視聴者側の画面を一時的に非表示に切り替えられる。
ユーザーはAndroid端末が1台あれば、アプリを立ちあげてわずか3タップで映像を配信できるため、従来のようにSDK(ソフトウェア開発キット)の埋め込みや、専門的な機材を使わなくて済む。画面をそのまま配信するため、当然各アプリ内の設定や登録も不要だ。
スマートフォン画面に表示できるものは何でも配信できるため、これまで主流だったゲーム実況のほか、ニュースや株価の解説やフリマアプリの出品の様子など、配信者のアイデア次第で無数の使い方ができる。ただし、許諾を得ていない電子マンガなどの著作物や、アダルトコンテンツは見つけ次第、配信を停止する。基本的には他の生放送サービスと同様のスタンスだ。
これまでのライブ動画配信は、配信者の話術や容姿で人気が左右される傾向があったが、Mirrativでは「人」よりもスマートフォンの「コンテンツ」が主役になると、DeNAモバイルサービス開発事業部 シニアマネジャーの赤川隼一氏は話す。PCの時代にはニコニコ生放送などでPC画面をそのまま配信することもできたが、モバイルではそうしたサービスはなかったと付け加えた。
「あらゆるコンテンツをソーシャル化することで、コンテンツのコミュニケーションを再定義したい。友達の家で皆でドラクエをやる、ジャンプを回し読みする。そういったコミュニケーションが、スマホになってからはなくなっている気がしている。画面を常時接続することで新たなコミュニケーションを作りたい」(赤川氏)。
当初からグローバル展開を視野に入れており、日本語のほかに英語と韓国語に対応した。米国ではゲーム実況サービス「Twitch」の月間ユニーク訪問者数が1億人を超えている。また韓国はAndroid端末が広く普及しており、ゲームに熱中する人も多いことから、まずは日本に加え、この2カ国でユーザーを増やしていきたいとした。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス