表参道駅を中心に半径約1km以内のIT企業やスタートアップなどが集まり、ともにビジネスを成長させることを目的とした「表参道Startup Hubプロジェクト」が動き出そうとしている。主催はエンジニア向けポートフォリオサービス「Forkwell」を運営するgrooves。8月27日には企画の主旨を伝える交流イベントをアップルストア表参道店で開催。IT企業の経営者やエンジニア、ベンチャーキャピタリストら約100人が来場した。
このプロジェクトでは、表参道におけるビジネスサポートや教育施設の整備を総合的に支援し、新規事業が立ち上がる中心地にすることを目指す。具体的には、アップルストア表参道店や青山界隈の企業内スペースで技術の最新動向やトレンドを共有するイベントを開いたり、Facebookグループを活用し、各社のビジネスに生かせる地域の情報などを相談しあえるコミュニティを立ち上げたりする。
また、レンタルスペースの貸し借りができるサービスを手がけるスペースマーケットと連携し、青山界隈の企業の遊休スペースの共有、利活用を促進。さらにデザインオフィス物件のカタログサイトを運営するCityLights Tokyoの協力を得て、オフィスのデザインにこだわったスタートアップの退居時に、その物件を同様のデザインを求める他企業に紹介するなどして、原状回復やデザイン設計を省けるような仕組みも整える。
そのほか産学連携の取り組みとして、青山学院大学、青山ビジネススクールと連携した青山界隈のスタートアップ向けインターンシッププログラムを実施したり、学生との接点を作る機会を設けたりする予定だという。
「表参道エリアで会食を開きたい時には具体的なシーン別に飲食店を紹介できるし、オフィス移転を考えているのなら、ビル名を言ってもらえれば坪単価を教えられる」と冗談交じりに語るのは、プロジェクトを企画するgrooves代表取締役の池見幸浩氏だ。同氏は表参道での勤務歴が12年にもなるという。
プロジェクトを立ち上げたのは、池見氏が「表参道がITスタートアップハブになりえる理由」などをつづったブログ記事を公開したことがきっかけ。そこからアップルストア表参道店とのコラボレーションが決まったそうだ。
今後、まずは2015年内に、イベントを毎月1回開ける状態を整える計画。プロジェクトの目標参加者数は、個人事業主を含む1000社1000人。ネットワーキングイベントには約2300人の来場を見込んでいる。すでに対象範囲を港区や渋谷区などに広げることも検討しているという。
期間限定のプロジェクトとしているが、具体的な期限は設けず、ニーズがあれば継続していく方針。「ITスタートアップの設立者や経営者だけでなく、エンジニアやクリエイターをはじめ、新しいことにチャレンジしている人であれば誰でも参加してほしい」と池見氏は話す。プロジェクトへの参加は、前述のFacebookグループで受け付けるそうだ。
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