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ゲーム実況者は“お手本の発明者”--niconicoが考えるゲームユーザーの「遊び場」構想 - (page 2)

佐藤和也 (編集部)2015年08月27日 18時34分
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“ヒーローを作って育てる”大型ゲームイベント「闘会議」開催の意図と狙い

 2015年に初めて開催し、2016年も開催予定のイベント「闘会議」についてその意図も語られた。闘会議はテレビゲームやスマホゲーム、アーケードゲームなどのデジタルゲームのほかアナログゲームやリアルゲームといった古今東西のあらゆるゲームが用意され、純粋にゲームの魅力を体感できるユーザー主体のゲーム実況とゲーム大会を中心としたイベントだ。

  • 11人対11人でのサッカーゲーム対決

 闘会議では、さまざまなゲームをそろえただけでなく、リアル化した体験を提供することも特徴としている。たとえばサッカーゲームをリアルな11人のチームを作って対戦するものや、コスプレ用として作られた武器を実際に手にすることができたりと、家で遊ぶだけではなかなか体験できないであろうコーナーが用意された。またゲームを遊んだり、タイムアタックなどに挑戦することなどでもらえる「勲章」といったものも用意され、さまざまなゲームに触れてもらう施策も実施した。

また「一緒に遊ぶ」ことも特徴だという。たとえばユーザーから参加者を呼び込み、実況者が手助けをしながら一緒に遊ぶといったこともある。普通の体験台と違い、目の前にゲーム好きなユーザーがいるため、当然笑いがあったりリアクションがある。それによって、ステージに上がってプレイするような普段とは違うゲーム体験が味わえる。

 伊豫田氏が特に印象的だったものとして「麻雀」を挙げた。あくまでアナログゲームの多様性の一環として用意したにもかかわらず、順番待ちができるほど意外な人気を博したのだという。大衆的なゲームである意味どこでも遊べるものでもあり、わざわざ幕張メッセで入場料を払って並んで遊ぶ必要がないようにも思えるが、前向きに楽しんでいる光景を見て「普段とは違う環境でみんなで一緒に遊ぶ面白さがある」から人気があったと感じているという。

 イベント開催の効果として、多数のメディアが報じるパブリシティの面もあるが、niconicoのアクティビティが活発になる効果を強調した。普段あまりniconicoにアクセスをしないユーザーが、イベントの熱気にあてられてログイン日数が多くなるという。

 今後の闘会議については「ヒーローを作ること」が狙いと語った。賞金賞品総額1億円以上を用意したゲーム大会によって、いわゆるスタープレイヤーという意味でのヒーローのほかにも、9月から約5カ月間毎日配信する番組「闘会議TV」を通して、ゲーム愛を押し出して魅力を伝えていけるようなゲーム実況者のヒーローも含めて育てていきたいとしている。

  • 闘会議における来場者属性

  • 来場者のゲームを遊ぶ頻度。「毎日」と「ほぼ毎日」で約8割

  • niconicoのアクティビティ。あまりログインしていないユーザーが、ログインするようになるという

遊びの根底にある「同じ事をする」。ゲーム実況者は“お手本の発明者”

  • ゲームをクリアした実況者を見て、コメントを通じてみんなで喜び合うのも一種の共感であり、遊びでもあるという

 伊豫田氏は“遊び”の根底にあるものは「一緒に同じことをする」であり、それはイコールで「共有」することでもあると語る。音楽ライブイベントでみんなで一緒に盛り上がる、ニコニコ動画でもスーパープレイやゲームクリアで「888」(※「パチパチパチ」という拍手の意味)のコメントを打って、みんなでうれしい気持ちを表現して共感するなどの事例に触れ「ユーザーが同じ事をすることは、イベントにおいて価値がある。ある意味ユーザーを踊らせるための象徴としてアーティストが存在するのではないか」との見解を示す。

 こうした共感する気持ちは「好きだから同じ事をしたくなる、好きな気持ちを共有したいから同じ事をする」というように、“同じ事をする遊び”ではないかもと語る。たとえばニコニコ動画で人気カテゴリとなっている「踊ってみた」「歌ってみた」の動画も、必ずしも人気を得るための投稿だけではなく、好きな曲だから歌って踊ってみたい、その場に加わりたいという気持ちで投稿されるものが多く、それは自然な欲求ではないかと話す。

 こうした同じ事をするうえで大事なものは「お手本の発明」だと語る。ひとつの事例として、「アイスバケツチャレンジ」を挙げた。寄付の目的とは別に、著名人が氷水を頭からかぶる動画が次々に公開され広まっていったのは記憶に新しいところ。ひとり挑戦的なことを実施する人が現れ、それをいろいろな人が続いてまねていく。同じ事をして広がっていくお手本の発明はクリエイティブに近いという。それがインターネットにおける“遊び”であり、共感の連鎖が起きる場所が“遊び場”とした。

 これをゲームに置き換えた場合、ゲームのIPを中核に、それを遊んで興味を持ったユーザーが、ゲーム実況動画の投稿やイラストを描く、コスプレをするといった愛好家的な活動をし、さらにそれらを見て楽しむ人たちがまわりにいる状況が生まれる。ゲームIPが直接的に届くというだけではなく、誰かを動かしたり遊びに巻き込むことによって共感の感染が広がっていくというのが、これまでのゲーム動画やゲームイベントを通じて見えた光景であり、ゲーム実況者などは遊びのお手本を発明していることになるという。

 伊豫田氏はniconicoにおけるゲームに対する取り組みとして、ゲームIPのまわりにあるプラットフォームの部分を拡充し、いろいろなゲームユーザーが活躍できる場、ゲームユーザーが主役となる遊び場をメーカーと一緒に作り、さまざまゲームを活性化していきたいとしている。

  • お手本となるものがあり、それが派生してまねたりアレンジして広まっていく

  • 共感の連鎖が起きる場所が「遊び場」になるという

  • ゲームに置き換えるとIPが中核にあり、そこから能動的に楽しみを発信していく人がいて、それを見て楽しむ人がいるという構図になる

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