テレビ朝日とKDDIは8月20日、スマートフォン向け動画配信事業で提携したことを発表した。両社は地上波番組とも連動したオリジナルコンテンツの共同制作に着手する。制作にあたってはKDDIの持つビッグデータを活用するなど両社の持つ強みを最大限に生かしていく方針を掲げている。
共同制作の第1弾としては、秋元康氏企画によるAKBグループメンバー主演のエンタテインメントドラマを用意。10月より地上波放送とKDDIの動画配信サービス「ビデオパス」で配信するほか、地上波放送番組と同クオリティのオリジナルエピソードをビデオパスのみで提供する。
また、テレビ朝日で放送中の金曜ナイトドラマ「民王」を見放題で独占配信。今後もバラエティ番組などの地上波放送番組を見放題で独占配信するほか、番組に関連したインターネットオリジナル動画も独占で提供していくという。
提携の狙いについて、テレビ朝日 常務取締役 総合ビジネス局・総務局担当の角南源五氏は、「垂直統合モデルである放送サービスと同様、動画配信においてもプラットフォーマーとして一定のポジションを確保するため」と説明。すでに一定のユーザを確保しているビデオパス上で本格的に協業し、その価値を高めることで自社の動画配信戦略もメリットを受けられる形を目指すとした。
一方のKDDIは、自社の持つビッグデータをいかに活用していくかが協業のポイントとなりそうだ。「目指すのは、コンテンツの作り手とお客様とのキャッチボール。『ビデオパス』を通じて得た顧客の属性データやサービス利用状況、視聴履歴や検索履歴などのビッグデータを各作品のメタデータとともに分析し、それをコンテンツの作り手に届けることで、よりよいコンテンツ制作の参考にしてもらえれば」(KDDI代表取締役執行役員専務・髙橋誠氏)。
共同制作第1弾となるAKBグループ主演のコンテンツについても「テレ朝からの企画提案を受け、それを過去の検索履歴や視聴履歴、属性履歴などの統計データで分析した結果、ビデオパスユーザーにお楽しみいただけると判断した」(髙橋氏)と説明。すでにビッグデータを活用し、今後も積極的に活用していく方針を見せているが、「ビッグデータを元にこちらからコンテンツ内容そのものを制作側に提案することはない」(同)と、あくまで作り手のアシストとして機能させたいとの考えを示した。
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