誰かに「教える」行為は、必ずしも先生、講師、インストラクターなどと呼ばれる職業の人だけが行うものではない。誰もがいつでも、教える立場になる可能性はある。そして教え方によっては、習った側がきちんと理解できなかったり、実際にやってみることができなかったりしてしまう。「教える」際に必要なこととはなんなのだろうか。
本書のサブタイトルにある「インストラクショナルデザイン」とは、「科学的に良い教え方を追求する学問」のことなのだそうだ。つまり「良い教え方」があるということだ。教える技能によって、教える順番があり、教える側は、教わる側に必要なことと不要なことを見極めなければならず、どのような評価をもってゴールとするのかも考えなければいけない。その一連の流れが本書では、時にマンガを交えてやさしく丁寧に解説されている。
すでに教えることを仕事にしている人でも、日常的になりすぎて、気づかない視点からのヒントを得られるだろう。また、突然教える立場に立たされた人にとっては、「こんなにいろいろな事を考えなければいけないのか」と途方に暮れるかもしれないが、ひと通り知っているのといないのとでは、まったく態度が変わってくるはずなので、一読することをお勧めする。
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