バイクタクシー配車「GrabBike」は東南アジアの新たな交通網となるか

 昼夜問わず車やバイクのクラクションが鳴り響く雑然とした光景は、東南アジアを訪れれば必ず目にするだろう。車線などもはや存在しないのではないかと思うほど、道路には所狭しとクルマが並び、信号が青になるや否や運転手は我先にとアクセルを踏む。

 筆者はタイの首都バンコクに長期間滞在しているが、渡航したばかりの頃は、日本では想像できないような交通渋滞に頭を抱えることが何度もあった。渋滞の原因は、過剰ともいえる量のクルマとバイクだ。バンコクの現在の人口は正式に申請されているだけで約830万人、車両は約700万台。登録されていないものもあるだろう。さらに、街中で見かける緑、青、赤のカラフルなタクシーは11万台にもおよぶ。


バンコクの駅前では客待ちのバイクタクシーをよく見かける(©drburtoni,2013)

 東南アジアで交通渋滞のワースト1といえば、インドネシアの首都 ジャカルタと言われるが、実際に住んでみるとバンコクも負けず劣らずだ。朝晩の通勤ラッシュも多く体験したが、この時間帯は道路も地下鉄もひどく混雑しており、普段なら捕まるはずのタクシーもなかなか捕まらない。酷いときはタクシーに乗ることができても、渋滞のせいでまったく動かない。

 そんなときに、地元の人が決まって利用する交通手段がある。「バイクタクシー」だ。この通称「バイタク」は、その名の通り希望した場所までドライバーが送ってくれるバイクのこと。街のいたるところにオレンジ色のゼッケンを付けたドライバーが立っているので、声をかけて目的地を伝えればいい。すると、ヘルメットを渡されるので、それを任意で装着して後部座席に乗る。料金はその距離に応じて決まっている。

 このバイタクドライバーは、バンコクに20万人いると言われる。その数はタクシーをゆうに超える。クルマと違って、細い道やクルマとクルマの間のすり抜けができたり、運がよければ自宅のオフィスまでドアtoドアで行けたりと非常に便利。そのため、バンコクで暮らす人びとの生活に浸透している。

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