KDDIは8月7日、2016年3月期第1四半期(4~6月)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比7.1%増の1兆465億7700万円、営業利益は同19.3%増の2309億9800万円、純利益は同29.2%増の1439億4900万円で、増収増益となった。
au純増数は約52万。タブレットの累計契約数は前年同期と比べて2.3倍に成長した。タブレットやモバイルルータを加えた通信ARPA(1人あたりの月間売上高)は、前年同期から130円増の5600円なった。
固定通信サービスとセット販売する「auスマートバリュー」の累計契約数は984万契約で世帯数は484万世帯となっている。同社によれば、auスマートフォン利用者の52%が、auスマートバリューを契約しているという。また、月額372円でアプリやクーポンが取り放題の「auスマートパス」は、前年同期比23%増の1319万会員へと拡大した。
プリペイド型の電子マネーカードサービス「au WALLET」の申し込み数は1290万人まで拡大した。しかし、KDDI代表取締役社長の田中孝司氏によれば、ユーザーがアクティブに利用する層とほとんど利用していない層に二極化していることから、今後はより利用を促す施策も展開していきたいとした。
同社は、2014年7月にミャンマーの通信事業に参入することを発表。約1年が経ち、モバイル契約者数は600万から1400万へと2倍以上に成長しているという。現在はヤンゴン市内などに急ピッチで基地局を増設し、ネットワークの強化に努めているとした。
同日の決算会見では、7月12日に発生したメール障害についても言及した。栃木県小山市の設備拠点において火災報知機が作動したことに起因して、メールサーバが自動停止。au携帯電話を利用する一部の顧客のEメール(@ezweb.ne.jp)が利用できなくなった。
翌7月13日には障害から概ね復旧したが、約3週間後の8月3日まで過去のメールが一部見られないなどの障害が続いた。同社は当初、最大796万人に影響が出たと発表していたが、田中氏は「1000万規模になった可能性がある。本当に多数のお客様にご迷惑、ご心配をおかけしたことをお詫び申し上げる」と謝罪した。
また、料金の割引などを条件に各携帯キャリアが採用している、いわゆる“2年縛り”に対して、総務省が見直しを求めたことについては、「(2年間の)定期契約プランにおけるメールでの通知などをしてきている。定期契約プランの終了後に料金が変わるプランなども検討しているので、決まり次第お知らせする」と語り、新たなプランを準備中であることを明かした。
決算会見の前日となる8月6日には、同社が米国のロボット開発企業Jiboに数億円を出資し、家庭用ロボット「Jibo」の日本展開を支援することを発表した。田中氏は「通信ビジネスそのものが、これまでのように大きく伸びる状況からだいぶ変わってきている。IoTエリアにおける重点投資先をKDDI Open Innovation Fundがいろいろ探しており、何かしらの機会があり、(Jiboに)出資を決めた」と語り、それ以上の言及はなかった。
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